Mobile:NEWS 2002年11月12日 01:15 PM 更新

VGA対応の「SL-C700」、18時間使える「SL-B500」〜2つの新ザウルス登場

シャープは新しいLinuxザウルス2モデルを発表した。PC系イベントでお目見えしていたVGA対応のクラムシェルモデルと、バッテリーの持ちが18時間、MIシリーズのデザインを踏襲した縦型モデルだ

 シャープは11月12日、LinuxベースのOSを搭載した新しいザウルス2モデルを12月14日に発売すると発表した。いずれもCPUにはインテル製XScale PXA250/400MHzを搭載、SD/IOとして機能するSDカードスロット、Type II CFカードスロットを装備する。

 1つはPC系イベントで参考出展されていた、3.7型透過型システム液晶に640×480ピクセルのVGA表示が可能な「SL-C700」(10月1日の記事参照)。オープン価格で、実売予想価格は5万円台後半。

 もう1つは、ザウルスOS搭載モデル「MI」シリーズのデザインを踏襲し、18時間のバッテリー駆動時間を実現した「SL-B500」。オープン価格で、実売予想価格は4万円台後半だ。


左がVGA対応の「SL-C700」、右が18時間駆動を実現した「SL-B500」。CPUはSL-A300のPXA210からPXA250に変更、「パフォーマンス向上のため」だという。SL-A300から採用された「ザウルスショット」「ザウルスドライブ」機能も搭載している

 PC側に表示されている情報をプリントスクリーンボタンを押すだけで、ザウルス内に取り込める「ザウルスショット」は機能が強化された。PC上の書類をプリントアウトする操作により、PCで表示されている部分だけでなく、書類の全画面をザウルス側に送り込めるようになった。

 Linux OSを搭載したザウルスは、既に発売されている「SL-A300」と合わせて3モデルがラインアップされることになる。それぞれの位置づけは「Aシリーズがビューワタイプ、Bシリーズが通信タイプ、Cシリーズが大画面モバイルPCタイプ」(モバイルシステム事業部の商品企画部主事、松本融氏)。A300が(データを)見ることにフォーカスした製品で、「B500、C700にいくほど(書類などを)作ることにフォーカスした製品になる。C700はちょっとした出張ならこれだけ持っていけば済む」(同)。

 いずれの製品も、ザウルスOS搭載製品の周辺機器はほとんど流用できない。使えるのは「デジタルカメラカードとボイスレコーダキット」(松本氏)。

 VGA表示に対応した「SL-C700」は、3.7型のCGシリコン液晶を搭載している。WebブラウザはACCESSのNetFront Ver.3.0を採用、640×480ピクセルの画面にレイアウトが崩れることなく表示されるという。解像度が上がったことに伴い、切り替え可能なフォント(9種類の大きさ)を用意。ファンクションキーを押しながら、キーボード左上の「+」「−」ボタンを押すことで文字の大きさを切り替えられる。


NetFront Ver.3.0と、電子ブック閲覧ソフト「ブンコビューア」のインタフェース。インプットスタイルからビュースタイルに変えると、3秒ぐらいで自動的に横表示から縦表示に変わる


VGA表示でより多い情報を1画面に表示させられるようになった。ファンクションキーを押しながら「+」「−」ボタンを押せば、表示されるフォントの大きさを切り替えられる


液晶部分を回転させて裏返すとパッドタイプのビュースタイルに。回転機構は「何度も回転させても壊れないよう丈夫に作っている」(松本氏)。バックスタイル時の上部にCFカードスロットとステレオイヤホンマイクジャック、左側面に電源ボタン、OK/Cancelキー、シャトルキー、赤外線通信ポート、SDカードスロット、ACアダプタ端子がある

 バッテリーは着脱可能なリチウムイオン充電池。バックライト最小輝度、低消費電力モード時で4時間50分の利用が可能だ。


「SL-C700」の背面。着脱可能なリチウムイオン充電池を搭載。タッチペンはCFカードスロットの隣に収納する

 新たに搭載されたのが、自動で通信設定を切り替える「スマート接続」機能。無線LANカードやCFカード型PHSを挿すと自動的に設定が切り替えられ、素早くインターネットにアクセスできる。また無線LANは、接続先をあらかじめ設定していなくても自動検出される仕組みだ。

 本体には、プラネックスやメルコの無線LANカード、ほぼすべての市販のCF型データ通信カードのドライバがプリインストールされ、ドライバをインストールせずに利用可能。SDカードスロットは、SD/IOとしての機能を果たし、セイコーインスツルメンツ製SDカード型PHSにも対応する予定だという。

 ソフトウェアはSL-A300に付属する「HancomMobileSheet」「HancomMobileWord」などのソフトに加え、MPEG-1、MPEG-2、MP3に対応したメディアプレイヤーや、ボイスレコーダソフト、デジタルカメラアプリが用意される。


指を置いてみるとキーボードの大きさが分かる。キーピッチは10.75ミリでPCのキーボードのようにも打てるぎりぎりのサイズ。本体が軽いので、バイオUなどのように親指での入力も可能

 サイズは120×83×18.6ミリ、重さは225グラム。

スライドキーボード付き、18時間駆動の「SL-B500」

 ザウルス「MI」シリーズの縦型ボディを踏襲した「SL-B500」は、3.5型の6万5536色表示反射型TFTカラー液晶を搭載。解像度は240×320ピクセルとMIシリーズ同様の解像度を備える。

 バッテリーには内蔵型リチウムイオン充電池を採用。背面が出っ張る大型のバッテリーは、ライトオフ、省電力モード時で18時間の連続表示が可能になった。


MIシリーズのデザインを踏襲した「SL-B500」。キーボード配置はMIシリーズとほぼ同様だが、「キーコンビネーションは変わっている」(松本氏)

 本体にはマイクとスピーカーが内蔵され、本体のみでボイスレコーダ機能を利用できる。

 WebブラウザはACCESSのNetFront Ver.3.0を搭載、「スマート接続」機能やインターネット接続環境、付属ソフトは「SL-C700」と同等のものとなる。

  サイズは74×138×18ミリ、重さは205グラム(液晶保護カバー取り外し時)。


18時間のバッテリー駆動を実現したが、バッテリーは大きくなり、背面が出っ張る

  • スペック

製品名SL-C700SL-B500SL-A300
CPUインテル XScale PXA250/400MHzインテルXScale PXA210/200MHz
表示3.7型透過型システム液晶(640×480ピクセル、6万5536色)3.5型反射型TFTカラー液晶(240×320ピクセル、6万5536色)3.5型反射型TFTカラー液晶(240×320ピクセル、6万5536色)
メモリFlash 64Mバイト/SDRAM 32MバイトSDRAM64Mバイト(ユーザーエリア約23Mバイト)
サイズと重さ120×83×18.6ミリ、225グラム74×138×18ミリ、205グラム69.6×113×12.5ミリ、約120グラム
電源リチウムイオン充電池
使用時間約4時間50分約18時間約12時間



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[後藤祥子, ITmedia]

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