Mobile:NEWS 2003年3月12日 11:00 AM 更新

話題の「@FreeD」対応端末「P-in Free 1S」を速攻チェック――Part1(2/2)


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 外観上、最大の特徴になっているのがアンテナだ。「P-in m@ster」がエレメントをプラスチックでカバーしたタイプだったのに対し、本製品は金属製になっている。つや消し加工のようになっており、派手過ぎず存在を主張している。

 アンテナが自在に動く点は「P-in m@ster」と変わらないが、本体部に対して一直線な状態では固定できない点がおもしろい。15度ほどオフセットするようになっており、おそらくアンテナが金属製になったための安全策と思われる。アンテナがわずかでもオフセットしていれば、無理な力が掛かってもいずれかの方向にアンテナが倒れ、本体との接続部を破損することを防げるからだ。



アンテナを折りたたんだ状態から立てると、こんな角度で自然に止まるようになっている。90度ひねると上のような角度になる。無理すればカード部に対して水平にならないことはないが……

「@FreeD」を生かす低消費電力設計

 「@FreeD」という定額制サービスを生かすべく、本製品では低消費電力化も進められている。「P-in m@ster」と比較すると以下の通りになる。

P-in Free 1SとP-in Masterの消費電力比較
通信状態P-in Free 1SP-in m@ster
ドーマント時(LED ON)22mW-
待ち受け時(LED ON)22mW95mW
ドーマント時(LED OFF)6mW-
待ち受け時(LED OFF)6mW80mW

 待ち受け時とドーマント時の消費電力は「P-in m@ster」に比較して1/4以下になっており、非通信、つまり待受け時とドーマント時が同じだ。これは、PCやPDAのバッテリーの消費を防ぐために小まめに通信を切断する必要性がなく、ドーマントに任せてしまえば十分なことを示している。

 なお、LEDをOFFにした場合、待受け時やドーマント時の消費電力はわずか6mWまで低下する。PCやPDAに挿しっぱなしにする人には、この低消費電力設計の意味は大きいだろう。

自然でストレスがないドーマントからの復帰

 試験サービスという形ながら、実際に「@FreeD」でのインターネット接続を利用することができた。まずは簡単に、その感触を紹介しよう。なお今回はフィールドテスト用のアクセスポイントを利用している。トラフィックの問題などが皆無なため、理想的な状態で利用できた場合の評価であることを付記しておく。

 「@FreeD」を利用する場合、特別な設定は必要ない。「@FreeD」対応アクセスポイント用にダイヤルアップ接続設定を作成し、これを利用するだけ。ドーマントに関わる処理などはすべてカード側が行ってくれる。アクセスポイントへの接続までの時間も、特に変わった印象は受けない。

 接続してまず分かるのは、「PIAFS64K接続となんら変わらない」ことだ。回線交換らしく通信速度は安定し、レスポンスも良い。これはAirH"などのパケット通信にはないメリットだ。





インターネット上の通信速度計測サイトでの結果。当たり前、といえばそれまでだが、回線交換ということもあり、受信速度は安定している。従来同様、データ圧縮が有効なようだ

 インターネットとのデータのやりとりがないと、1分程度でドーマント状態に移行する。ドーマントに移行するとMODE LEDが赤の点灯に変わるので、すぐに分かる。


ドーマント中になると、MODE LEDがこのように赤に変化する

 ドーマント状態からインターネット接続へ復帰するのに要する時間は5〜7秒程度。ドーマント状態からブラウザを起動すると、スタートページの表示が開始されるまでおおむね10〜15秒といった感じだろうか。ブロードバンド接続とはさすがに比べられないが、従来のモバイルインターネット接続と比べれば、さしてストレスを感じるということはない。

 従来のPIAFS64K接続とほとんど変わらない感覚で利用できるうえに、ドーマントからの復帰が自然で、通信が切断されているということをほとんど意識させない。こうしたことを考えると、「P-in Free 1S」での「@FreeD」利用は、ユーザーにとってかなりポテンシャルが高いと言えそうだ。

 次回は「P-in Free 1S」の付加機能や「@FreeD」利用時の詳細な使い勝手を紹介するとともに、実際にPDAで使ってみて、利用時のバッテリー駆動時間などを計測してみよう。



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[坪山博貴, ITmedia]

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