Mobile:NEWS 2003年3月26日 04:03 PM 更新

ドコモ、“変身する”腕時計型PHS「WRISTOMO」

ドコモは腕時計型のPHSを開発、販売する。ワンタッチで腕から取り外し、通常の携帯電話のように通話できる。生活防水やOutlookとの同期機能も搭載した

 NTTドコモは3月26日、腕時計型のPHS「WRISTOMO」を開発したと発表した。三つ折り型になっており、ボタンで開閉。腕から取り外し、通常の携帯電話のように通話できる。


 ドコモMMターミナル開発部担当課長の入鹿山剛堂氏は「通信機器を身につけるウエアラブル。それの第一歩という位置づけ」だとコンセプトを話す。20代−30代のモバイル志向の強いユーザーがターゲット。

 製造はセイコー・インスツルメンツ(SII)。「マーケットサイズも予想が付きにくい。数量も限定してインターネットによる販売のみ」(入鹿山氏)。4月以降に専用サイトにて販売を受け付ける。数千台の販売を見込み、価格は未定だが5万円以下となる。

 日常生活防水(3気圧防水)を搭載し、雨の中でも利用可能。パルディオEメール機能や、64KbpsのWebブラウジング、Outlookとの同期機能も搭載した。PCと接続してのデータ通信は行えない。大きさは40×171.5×18.5ミリ。重さは電池込みで113グラム。200時間の待受が可能で120分の連続通話が行える。



左は待ち受け画面。赤いバックライトが点灯する。右は電話番号入力画面。十字キーを使って入力する。液晶はモノクロ4階調で128×112ピクセル


重さは113グラムと昨今の折りたたみ型携帯電話と変わらない。入鹿山氏は「防水機構や強度の確保のために、金属の部材も使っているため」だと説明した。部材は5000台分しか用意していないというから、手に入らないこともありそうだ。入鹿山氏は、今回はテスト販売という位置づけだとし、受け入れられればさらに開発を進めていくと話した

“変身”することで従来の課題を解決

 昔から、腕時計型の携帯電話は未来の電話としてSF映画やアニメーションに登場してきていた。長野オリンピックの際に、NTTが開発した腕時計型のPHSも話題になった。しかし、なかなか実用・普及には至っていない。

 その理由の1つは「会話の仕方が、スピーカーフォンまたはイヤホンマイクだったから」だと入鹿山氏は話す。スピーカーフォンでは、周囲に会話が漏れてしまうし、イヤホンマイクでは着信してから取り付けるのが面倒だ。

 今回、腕時計型として初めて市販されるWRISTOMOは、“変身”することで、実用化の道をひらいた。「いつでも着信があったら、瞬時にハンドセットにして会話できる。従来の電話と同じように話ができる」(入鹿山氏)。


 腕時計型にしたことで、従来の携帯電話にはないメリットも出てきた。激しい騒音下でも着信を逃さず、落としたり置き忘れが少ない。会議中などでも、着信はバイブレータにより本人だけが認知できる。

 「低消費電力でモジュールが小型化できる」(入鹿山氏)ということから通信方式をPHSとした。PDC方式やW-CDMAでの提供は予定していない。



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関連リンク
▼ WRISTOMO専用サイト
▼ NTTドコモ

[斎藤健二, ITmedia]

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