Mobile:NEWS 2003年6月2日 09:37 PM 更新

質感の分かる大人に持ってほしい〜「A5402S」開発秘話

au初となるQVGA液晶の搭載に注目が集まる「A5402S」だが、ボディデザインも大きな特徴。「質感の分かる大人に持ってほしい」というだけあって、別売りのパネルには本革製のものもラインアップされる

 au初のQVGA液晶搭載機としてデビューするソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「A5402S」(5月30日の記事参照)。

 しかしソニー・エリクソンが注力した点はほかにもある。車やカメラ、アクセサリーを意識したという質感にこだわったデザインだ。

リアルな質感を塗装の工夫で

 同じカメラ付き端末でも、ポップでカラフルな「A1301S」(2月28日の記事参照)とはがらりとイメージを変えてきたのがA5402S。流行を先取りする層をターゲットにしたハイエンド端末という位置付けだ。

 形も「(A1301Sが)丸くてスポーティーなのに対してA5402Sは、縦の稜線が入るようなシャープでクールなデザイン」(BU JCDMA商品部第3チームの高梨伸マネジャー)。ボディカラーは高品位感を出せる色としてブラック(ノアールブラック)とホワイト(ルミエールホワイト)が選ばれた。

 ボディのベース、着せ替えパネル、サイドのアクセント……それぞれ異なる質感を出すために、塗装も工夫されている。例えば角度によって鏡のように光るノーマルパネルは、樹脂の下にアルミを鏡面に蒸着し、半透明系の白や黒を乗せて奥行きのある感じを出している。サイドのアクセントになるアルミ風な部分も「(ホワイトは)本物の金属のような色、(ブラックは)クローム系の時計のベルトに使われるような黒っぽい金属の色」が出るような塗装が施されている。


20φの開口部を広く取った四角いスピーカー(左)。サイドのアクセントカラーも金属の質感を出すよう塗装が工夫されている

 目指したのは「白と黒のモノトーンの潔さは質感の分かる大人向け。フォーマルなタキシードにも合うものを、無彩色の世界でどう表現できるか」だと商品企画部の高橋映里子氏は説明する。

間接照明の光をイメージ、別売りパネルは本革製も

 A5402Sは、背面液晶の下がうっすら光るのも特徴の1つ。光る携帯電話といえば「A1101S」(2002年10月31日の記事参照)が有名だが、大人向けということで、光り方も異なっている。

 キーワードは「間接照明」。A5402Sに付属するパネルは段階的に明るさを変化させられる。全く光を通さない「ノーマル」、ぼんやり光る「キルティング」、メッシュのメタルの向こうでライトがついている間接照明をイメージした「パンチング」の3種だ。ベースとなる光り方のパターンはA1101Sと同じだが、パネルの作りを変えることで、異なる雰囲気を出した。

 キルティングは、そのままでもパネルがほんのり光る仕様だが、「何か1つをアクティブに光らせたい」というアイデアから、9つ付いているラインストーンのうち、中央のものだけを透過させた。このラインストーンも、「鞄の中に放り込んだときにほかのものを傷つけないよう、柔らかめの素材を使っている」(高橋氏)。


「キルティング」のパネルを光らせたところ。中央のラインストーン部分がアクセントで強く光る

 A5402Sに当初用意される別売りの着せ替えパネルは、ラインストーンをクロス型にレイアウトした「クロス」(1800円)と本革製の「ラムスキン」(1200円)の2種類。これまでの着せ替え携帯に比べて少なめだ。これは、「自分のライフスタイルや考え方にあったパネルを選んでもらって、長く使ってもらいたい」という考えから。この部分も「毎日でも取り替えてほしい」というカジュアルタイプの着せ替えとはコンセプトが異なる部分だ。


付属の着せ替えパネル。左から「パンチング」「キルティング」「ノーマル」。キルティングの中央の石は透明になっており、光のアクセントになる


別売りの着せ替えパネルは「クロス」と「ラムスキン」。革を使ったパネルは初めての試み

20φの大型スピーカー、「撮った後」を楽しむ「VisualFlow」

 このほかの注目点としてソニー・エリクソンの開発陣が挙げるのは、20φの大型スピーカーと、画像を楽しむためのezplusアプリの「VisualFlow」だ。

 スピーカーは、「A1301S」(2月28日の記事参照)の16φスピーカーから20φのものに進化。円形だった開口部を四角に変えることで開口率を上げたという。「より音の抜けを良くして高音質が際だつようにしている」(高橋氏)。

 また、撮った写真を楽しむためのJavaアプリ「VisualFlow」(3月13日の記事参照)にも注目してほしいと商品企画部ネットワーク&アプリケーション企画課の西野秀明プロデューサー。撮った画像を浮遊するサムネイルで表示させたり、ソニーのアルバムサービス「イメージステーション」にアップロードしたりするアプリだ。

 イメージステーションへのアップロードはメール添付で、閲覧はEZwebでも行えるが、「写真を見ながら気に入ったものをアップロードして、友達に知らせる」といった一連の作業を1つのアプリで完結させられるのが特徴だという。「(ezplusのJavaアプリなら)IDやパスワードを記憶させておけるし、アップロードした画像の確認もアプリで行える。デジタルカメラで撮影した画像をPCに取り込んでWebにログイン──といった作業に比べてだんぜん速い」(西野氏)。動作速度には改善の余地があるが、「楽しいアプリになっている」。

 イメージステーションは、PCや携帯電話、ネットワークハンディカム、PDAなど、いろいろな機器を画像を通してつなげていこう流れの中で生まれたサービス。カメラ付き携帯電話にプリインストールすることで、新しい便利さを提案したい考えだ。



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[後藤祥子, ITmedia]

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