街頭端末のプリント、画像はメール送信で携帯電話対応のプリント端末の多くは携帯電話をケーブルでつなぐタイプ。三菱の「めるってプリ」は、携帯電話からメールで送った画像をプリントする仕組みだ。
携帯カメラの高画素化が進む中で注目されるのが、携帯画像のプリントサービス。既に複数メーカーがこの市場に参入しているが、多くは携帯電話と街頭プリント端末をケーブルでつないで画像を取り込み、プリントするタイプを採用している。 三菱電機が7月1日からDPEショップの「55ステーション」を中心に展開する「めるってプリ」は、ネットワーク対応の街頭プリント端末。JPEG画像をメール送信できる携帯電話から専用のメールアドレスに画像を送信すれば、出先や家の近所、旅先などから「めるってプリ」端末でケータイ画像のプリントを行える。 プリントしたい画像を「めるってプリ」の専用メールアドレスに送信すると、画像は3日間の保存に対応した「めるってプリサーバ」に蓄積される。約10秒ほどでIDとパスワード入りのメールが返信され、あとは好きな場所のめるってプリ端末で、IDとパスワードを入力すれば、L判やシールをプリントできる。
左が画像送信時の画面。件名は任意の文章を利用可能だ。本文に改行入りで知り合いのメールアドレスを入力すると、そこにもIDとパスワードが届く。右はIDとパスワードが送られてきたところ。この2つを「めるってプリ」端末に入力すればプリントを行える 携帯電話の高画素化やデジカメ画像での利用を考慮して、SDカードやメモリースティック、CFカード、スマートメディアのスロットも搭載した。アダプタを付ければ、ドコモの505iシリーズで採用されているメモリースティックDuoやminiSDも利用可能だ。 三菱電機はシールプリントのみ対応/L判プリントのみ対応/シールとL判両対応の3モデルをラインアップ。約3000台の販売を見込んでいる。実機は6月23日から25日に東京ビッグサイトで開催される「ラボシステムショウ2003」にお目見えするという。
ネット対応した街頭プリント端末「めるってプリ」。メールによるプリント画像の送信は、今のところ携帯電話に限られる。プリント料金は設置店舗によって異なるが、L判が50円、シールが200円ぐらいだという
三菱電機の映像情報営業統括部プリンター営業課長の寺田健志氏は、ネット対応のメリットについて「バージョンアップの容易さとメールの汎用性」の2点を挙げた。 ケーブルや赤外線で画像を取り込む仕組みの場合、キャリアや端末によってシリアル部や赤外線の仕組みが異なることから、新機種が出たときのサポートが難しくなる。しかし「メール送信やメモリ経由のバージョンアップなら、その負担を軽減できる」。またケーブルによる取り込みに比べ、各機種への対応確認が少なくて済む上、対応機種を増やせるという面もある。 加えて「その場でプリントして終わりにしたくない」と、コミュニケーションの部分も重視。画像をサーバに送信する際、本文に改行入りで3人までのメールアドレスを記載すれば、自分以外の最大3人にプリント用のIDとパスワードを送れる仕組みも用意している。メモリカードから取り込んだ場合も、めるってプリから最大32枚までの画像をめるってプリサーバに送信できる。この際に発行されるIDとパスワードを控えて友人に知らせれば、知らせを受けた友人も任意の画像をプリントできる。 個人の画像データをサーバに預かることから「(めるってプリ端末から)ネットに載せる部分は独自のセキュリティ技術で暗号化している」などセキュリティ面にも注意が払われているという。
一方で課題となる部分もある。例えば100万画素クラスのカメラを搭載しながら外部メモリを備えていないauのカシオ製端末の場合、メール送信可能なVGA画像までしかプリントできないことになる。同社では「当面はアイ・オー・データ機器の「Snap Memory」を使ってもらうことになるが、今後の課題として検討する」と説明している。 また、ケーブル取り込みではプリント料金のみを支払えばいいのに対し、メール送信方式ではユーザーが携帯電話からメール送信する際の通信料も負担することには注意が必要。au端末からVGA画像を送る際には100−200円かかる場合もある。 メール送信に不慣れなユーザーが専用アドレスの入力を煩わしく思う可能性もある。専用アドレスは固定のためアドレス帳に1回入れてしまえば問題ないだろうが、ケーブル接続に比べて敷居が高い面も否めない。これには「各キャリアの端末向けに用意しているWebサイトからメールアドレスを簡単に端末に送り込めるような仕組み」を検討しているという。 さらに、せっかくIDやパスワードが友達から送られてきても、どこにめるってプリが設置されているのかが分からなければ、有効に使ってもらえなくなる。これには携帯向けWebサイトの取扱店舗をこまめにアップデートすることで対応する考えだ。
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