Mobile:KEYWORD 2003年8月18日 06:43 PM 更新

小霊通【しゃおりんとん】

小霊通は、中国で普及しつつあるPHSのサービス名称。中国のマンガに登場する主人公の名前に由来している。

 小霊通(XIAOLINGTONG)は、中国で普及しつつあるPHSサービスの現地名称。元は中国のマンガに登場する主人公の名前であったが、PHS関連の機器開発を展開する米UTStarcomの社員の命名によって、同社の端末のみならずサービス全般にこの名称が使われるようになったという。

 小霊通は、浙江省・余杭での実験サービスを皮切りに、西安、杭州、昆明と次第に商用エリアを拡大し、中国の首都である北京市にも導入された。3Gの導入を目指す中国政府の意向により、中国全土での採用は行われない模様だが、2003年5月末の時点で加入者数が2000万人を超えるなど、日本のPHS市場をはるかに上回る勢いを見せている。

 小霊通の事業を行っているのは、中国全土に支社を構える中国電信(チャイナテレコム)と、中国網通(チャイナネットコム)。中国電信は日本でいうところのNTTにあたり、固定電話サービスを提供する通信事業会社である。元は携帯電話も扱っていたのだが、同社の分割によって中国移動通信(日本でいえばNTTドコモ)に事業が移管された。

 中国電信が小霊通を扱うのを、中国移動通信を始めとするGSM携帯電話会社は反対している。理由は「日本市場におけるPHSの失敗」だが、その実態は独占市場の崩壊防止にある。日本以上に通話料金の格差が存在するため、GSMからPHSへの移行が危惧されるからだ。

 日本のNTT同様、中国電信は伸び悩む固定電話市場を活性化させる必要があり、固定電話の延長として利用できるPHSに活路を見出そうとしている。だが、PHSは3G導入までのつなぎでしかないというのも大方の見方。そこで同社では3Gが開始されたときのために、「将来3G電話機と無償で交換できる」という施策を打ち出し、加入者の獲得に努めているという。



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日本生まれのPHSがアジア地域で元気だ。台湾、中国、タイ、ベトナムなどで普及の兆しが見られ、推定で2000万のユーザーがいるという


関連リンク
▼ PHS MoU Group記事より:小霊通(PHS)が中国通信業界に大変化を引き起こした
▼ 中国情報局記事より:中国版PHS「小霊通」をめぐって

[江戸川, ITmedia]

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