新しく生まれ変わった自信作――AQUOS SHOT「SH-01B」開発秘話(1/3 ページ)

1210万画素のCCDカメラを採用した第2世代のAQUOS SHOT「SH-01B」は、2009年冬のPRIMEシリーズで最薄のボディを実現し、デザインもこれまでのモデルとは大きく変わった。従来のシャープ製端末のイメージをいい意味で裏切る変貌の理由はどこにあるのか。開発者に聞いた。

» 2009年11月30日 00時00分 公開
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 2009年夏に発売した初代AQUOS SHOT「SH-06A」では、他社に先駆けて1000万画素CCDという、コンパクトデジタルカメラに迫る画素数のカメラを搭載し、デザインもカメラっぽさを追求したシャープ。独自のデジタルカメラブランド「AQUOS SHOT」を冠したのも、きれいな写真を撮るならこのカメラで、という点を強くアピールするためだ。こうした策は見事にユーザーに響き、SH-06Aはドコモの2009年夏モデルの中でも特に人気が高いモデルとなった。

 そんなSH-06Aの成功を受けて登場したSH-01Bは、CCDセンサーの画素数を1210万画素に向上させ、ユーザーにさらなる“写真の美しさ”や“気軽に撮れる楽しさ”を提供するべく、機能強化を果たした。2009年冬モデルで第2世代のAQUOS SHOTは、他社が満を持して投入する12Mピクセルカメラ搭載モデルや、デジタルカメラのブランドを冠したモデルとの真っ向勝負に挑む。

 果たしてAQUOS SHOT「SH-01B」はどのような思いから生まれたのか。シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部の森井啓太氏、デザインセンター 係長の水野理史氏、パーソナル通信第一事業部 第1ソフト開発部 主事の石川真治氏、パーソナル通信第一事業部 技術部 係長の松岡弘之氏、プラットフォーム開発センター 機構開発部 主任の吉村康弘氏に聞いた。

Photo 前列左から通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部の森井啓太氏、プラットフォーム開発センター 機構開発部 主任の吉村康弘氏、後列左からパーソナル通信第一事業部 第1ソフト開発部 主事の石川真治氏、デザインセンター 係長の水野理史氏、パーソナル通信第一事業部 技術部 係長の松岡弘之氏

「画素数が上がっただけ」とは言わせない

 前述のとおり、1210万画素CCDという、コンパクトデジタルカメラと比べても全く見劣りしないセンサーを搭載したカメラ機能がSH-01Bの最大の特徴ではあるが、商品企画を担当した森井氏は「初代AQUOS SHOT SH-06Aから、単にカメラの画素数が増えただけのモデルにはしたくなかった」という。

Photo 「単にカメラの画素数が増えただけのモデルにはしたくなかったんです」(森井氏)

 そこでSH-01Bでは、シャッターを切ればカメラ任せで気軽に写真が撮れるSH-06Aの軽快な操作性を継承しつつ、「個人検出」や「個人アルバム」、連写機能やそれを生かした「ベストセレクトフォト」「ストロボフォト」といった多彩な撮影機能を追加。また、写真にスタンプや手書きの文字が追加できたり、小顔美人や瞳美人、色白美人といった特殊効果が楽しめる「プリティアレンジカメラ」などの機能も搭載した。

 撮影に必要な基本機能を進化させただけでなく、コンパクトデジタルカメラにはない、携帯電話ならではの強みとして、通信機能をうまく活用した機能も用意した。撮影した動画をオリジナルのデコメ絵文字に変換し、メールで使えるようにする「モーションデコ」、静止画や手書きの絵、文字を最大5枚までつないで動きのあるデコメピクチャが作れる「ショットデコプラス」などがそれに該当する。

 「『AQUOS SHOT』とはどういうものであるべきかを考えたとき、写真がきれいに撮れるのはもちろんですが、携帯電話の機能の1つであることから、通信できることを生かし、楽しめる、撮影した写真が生かせる機能が必要だと考えました」(森井氏)

高機能化しつつ、ボディの薄型化を実現

 こうしたカメラ周りの機能強化に加え、ドコモの最新サービスなどにもフル対応することで、第2世代のAQUOS SHOTはこれまで以上にハイスペックなモデルになったが、一方で開発陣はボディの薄型化にも注力した。

 機能が向上すれば、ボディが大きくなったり、厚くなったりするのは、ある意味当たり前のことだ。しかしSH-01Bの開発陣はそれを良しとせず、シャープのハイエンドモデルの中でも最薄になるスペックを狙って開発をスタートした。

 「スペックは上がったけれども、サイズは小さくなっている、という形にしたかったんです」(森井氏)

 当初SH-01Bは、ボディの厚さを「最薄部で15ミリ以下」にすることを目標にしていた。最終的には最薄部で14.7ミリと、目標を上回る数値を達成した訳だが、そこに到達するまでには、何度も試行錯誤を繰り返した。

Photo 「基板サイズを半分にする、というのは、非常にハードルの高い仕事でした」(松岡氏)

 最大の問題は「基板のサイズを半分にする」必要があったこと。SH-01Bのメイン基板は、SH-06Aなどの従来のPRIMEシリーズのモデルから大幅に小型化し、バッテリー部分に重なる基板をなくした。これにより、本体下部をぐっと薄くすることに成功した。

 「フルスペックのPRIMEシリーズの基板を、これまでの半分のサイズに納めるというのはかなり大変な作業でした。確かに、それをやれば薄くなることは以前から分かっていましたが、なかなか必要な部品が入りきらなかったりして、苦しんできた部分です。何とか製品化できたことは、本当にうれしかったですね」(松岡氏)

 従来モデルより機能が増えたSH-01Bでは、本来なら必要な部品点数が増えるはずだった。しかし、中身の設計をすべて見直して回路を整理し、全体的な部品点数を削減。最終的にSH-06Aよりも少なくできた。サブ基板も薄型化して、必要な実装面積を大幅に削減し、薄型化を実現した。

 シャープ製端末ならではのポインティングデバイス「TOUCH CRUISER」も、従来より薄い新規部品を採用して搭載した。ロゴなどが記載されていないため、一見搭載されていないかのようにも見えるが、決定キーの下にセンサーが組み込まれており、TOUCH CRUISERの操作を可能にしている。

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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年12月16日