News 2000年8月11日 09:00 PM 更新

ソニー,バイオC1の後継機種にCrusoeを採用

 ソニーが明らかにしたところによると,「年末商戦向けに発売する予定のバイオC1の後継機種について,Crusoeを搭載する計画がある」という。CrusoeにはWindowsマシン向けの「TM5400」と次バージョンの「TM5600」,アプライアンス向けの「TM3120」と「TM3400」などが発表されているが,搭載予定のCPUの種類については明らかにしなかった。

 また同時にソニーは,「バイオノートF」シリーズの一部機種でAMD製CPUの搭載を計画していることも明らかにした。同社はデスクトップPCの「バイオ・コンポ」など一部機種でAMD製CPUを採用したことはあるが,バイオノートは97年7月の発売以来,インテル製CPUのみを採用してきた。今後はこの方針を転換し,製品の位置付けに応じて搭載CPUの選択肢を増やしていく考えのようだ。

 Crusoeは,複数のオペレーションを1つの長い命令語にまとめて並列処理を行うVLIW(Very Long Instruction Word:超長命令語)アーキテクチャを採用。コードモーフィングシステム(CMS)と呼ばれる機能により,x86命令をVLIWにソフトで翻訳しながら実行する。従来のx86プロセッサがハードで処理していた部分を省けるためトランジスタ数が少なくてすみ,低消費電力での動作を実現している。そのためノートPCやインターネットアプライアンスでの利用に期待が集まっている。

 今年6月にニューヨークで開かれたPC EXPO 2000では,米IBMと日立製作所,NECがCrusoeを搭載したノートPCを参考出品し,富士通も搭載マザーボードを展示した(6月28日の記事参照)。これらのメーカーもCrusoe搭載製品の発売を目指しているものと見られる。また米Gatewayはインターネットアプライアンスでの採用を表明している(5月31日の記事参照)。

 Transmetaは今年4月に8800万ドルの増資を行ったが,ソニーはGatewayやAOL,Compaq Computerらとともに出資に応じていた。

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[小林伸也, ITmedia]

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