News | 2000年8月22日 08:24 PM 更新 |
xDSL事業者のイー・アクセスは8月22日,今年4月に開始した試験サービスの中間報告を発表した。この試験は,2000年10月1日に開始する本格サービス提供に先立ち,9月末までの予定で実施しているもの。報告では,全モニターの平均転送レートが下り1.35Mbpsであったとし,「日本へのADSL導入当初に心配されていたISDNとの干渉による伝送速度の大幅な低下は見られなかった」(同社)ことを明らかにしている。
今回の試験サービスは,イー・アクセスのADSLネットワークと各ISPのネットワークを相互接続し,ADSL接続品質の最適化およびサービス提供体制を確立するために,11の電話局を対象として行われている。8月22日までに申し込んだ約500ユーザーのうち,NTTの回線適合調査をクリアしたすべてのモニターについて,既にADSL回線を開通させたという。調査時に不適合とされたのは4.3%であり,そのほとんどが光ファイバーが引き込まれていたケースだった。
通信品質については,電話局からの距離や背景ノイズの影響等によってばらつきがあるものの,全回線でAnnexCの最大規格値である512Kbpsをクリアした。最大値は,下り1.54Mbps,上り512Kbps。逆に,現在モニターに参加しているユーザーの中でもっとも電話局から遠い(直線距離で2.81キロメートル)ケースでも,下り平均989Kbpsの伝送速度を維持しているという。全モニターの平均値は,下り約1.35Mbps,上り約508Kbpsだ。
「より高速なメニューを設置するかという判断はISPによるが,商用ベースで1Mbps以上のサービスを提供することは(技術的には)可能だと分かった」(同社)。
また,試験サービスを通じて取り組んできた処理手続きの迅速化に関しても,Webから申し込んだ翌日にNTTへ適合調査を依頼できるしくみと,NTT局内工事終了の翌日に宅内工事を実施できる体制を整えたとしている。
なお,現在イー・アクセスの試験サービスに参加しているISPは@niftyのみだが,10月の本格サービス開始時には,BIGLOBE,FastNet,GOL,PSINetなども同社のADSL回線を利用したメニューを発表する見込みだ。
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