News 2000年9月19日 07:45 PM 更新

IDF Japan開幕,基調講演でPentium 4の“波紋”を観る

IDF Japanの2日目には基調講演が行われた。ほとんどがサンノゼで行われたIDFの焼き直しだが,Pentium 4マシンによる波紋のデモンストレーションなどを見ることができた。

 「Intel Developer Forum 2000 Fall Japan」が9月18日に開幕。2日目となる19日には,米Intelのアーキテクチャ事業本部副社長兼インテル・アーキテクチャ・ソリューションズ推進事業部長のWilliam Swope氏と,同じく副社長兼インテル・アーキテクチャ・マーケティングディレクターのAnand Chandrasekher氏が基調講演を行った。ただし,その内容は8月に米国サンノゼで行われたIDFの焼き直しであり,今のところ,特に新しい展開は見られない。

 「ネットが変わる,ネットを変える」と題して講演を行ったSwope氏。そのメッセージは明快だ。2004年にはe-Businessの占める割合がGDP全体の10%におよび,7兆ドル規模になると言われているが,インターネットの発達した世界では,新しい顧客はもとより,新たな販路,そして競合が現れる。競争は世界規模となり,商品の差別化は「何週間」という単位のスピード勝負。一方で顧客のニーズは多様化し,常に現在の知識や技術を上回る潜在的なニーズが存在するという。「ネットワークが起こす“Tsunami”には,のるか,のまれるしかない」(Swope氏)。この競争にうち勝つため,インテルの技術とソリューションが「さまざまなレベルでお手伝いできる」(Swope氏)というわけだ。


「ネットワークの“Tsunami”には,のるか,のまれるしかない」というSwope氏

 Swope氏は,先日発表された「インテル・ソリューション・センター」をはじめ,「ピア・ツー・ピア・ワーキンググループ」,インテルの最新ハードウェアの早期利用が可能な「Early Access Service」,同社のベンチャーキャピタル「インテル・キャピタル」などを紹介し,来場したデベロッパー各社に参加を呼びかけた。

 代わって壇上に上がったChandrasekher氏は,Itanium,Pentium 4,低消費電力版のモバイルPentium IIIといった最新プロセッサを取り上げ,その現状を報告した。こちらも米国で行われた講演とほぼ同じだったが,唯一ItaniumのデモマシンがNEC製の16Wayエンタープライズサーバ「AZUSA」に変更されていた。10Gバイトのメモリを搭載したAZUSAに,米Microsoftのインターネットストレスツールを使って1000人のユーザーが一度にアクセスした状態を作り上げる。その上で衛星写真のデータベースを動かし,クライアントからズームインなどの負荷をかけても画面はスムーズに切り替わるというデモだ。「データベースをメモリ上にアップロードしてレスポンスタイムを短縮している。64ビットならではの高速性だ」(Chandrasekher氏)。

 Itaniumに関しては,既に開発者に向けて6000以上のプロトタイプシステムが出荷されており,また64ビットのOSもWindows,Linux,AIX 5L,HP-UXと次々に移植されるという。さらに,主要なエンタープライズテクニカルアプリケーションの動作も確認しており,「300種以上がポーティングされる予定だ」(Chandrasekher氏)。第4四半期には,エンドユーザー向けのパイロットシステムも導入が開始される。

 同じ第4四半期に発表されるPeintium 4では,1.4GHzのシステムを使って米国IDFでも話題になった波紋のデモンストレーションが披露された。水面が表示されたディスプレイをChandrasekher氏がクリックすると,リアルタイムに波紋が生じ,会場が沸く。実写に見える背景も実はレンダリングされているもので,アングルを変えれば追随する。日本での好感触にChandrasekher氏も「一日中,やっていたいね」とご機嫌だった。ただし,残念ながら,今回は2GHz超(8月23日の記事を参照)のデモは行われなかった。


水面も背景もリアルタイムにレンダリングされている

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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