News 2000年11月9日 11:08 PM 更新

初期費用1万円から──ネクステック,携帯電話用コンテンツ総合支援サービスを発表

「初期投資費用の不透明さ」「予想不可能なサーバ増設費用」などの,携帯電話用コンテンツの問題を解決する支援サービスが始まる

 セガのグループ企業であるネクステックは,PCの大規模ネットワークゲーム「ダークアイズ」の開発実績などのノウハウを生かして,低価格な携帯電話コンテンツの総合支援サービス「NEX-COMPASS」を開始する。

 携帯電話コンテンツ事業は,サーバ構築費などの初期費用がかかることや,予想会員数の読み間違えに対するリスクなどの問題がある。一般には初期費用として,サーバの購入やシステム構築に多額の投資が必要だ。コンテンツの運用開始までにはプランニング会社,サーバ運営会社,コンテンツ開発会社と多くの会社が関わることも事態を複雑にしている。さらに稼働後も,例えば会員数1万人を見込んでいて10万人が殺到しても,逆に10万人を見込んでいて1万人しか入会しなくても大きな問題となる。

 NEX-COMPASSでは,事業参入から運営までのすべてのサービスを一括して行う。コンテンツ企画からサーバの準備,負荷テスト,運営保守などコンテンツ作成以外のすべてがサービスに含まれる。サーバはNEX-COMPASS側で用意され,全コンテンツがそのサーバに収容される。

 さらに,コンテンツの作成も要望により受注する。これにより,企画から運営まで「キャリア承認」以外の全工程を一貫して発注できることになる。ネクステックによると,従来の半分のコストで携帯電話コンテンツの開発が可能になるという。

特徴は料金体系

 運用開始1ヵ月後に,会員数1万人につき1万円と初期費用は計算される。例えば運用を開始して1ヵ月後,会員が3万5000人だったとすると,それまでの初期費用は4万円で済むことになる。運用時のランニングコストは,課金額の20%×会員数+標準メンテナンス費(11万5000円)だ。つまり,課金額が300円のコンテンツならば,60円×3万5000(会員数)+11万5000円=221万5000円が運用にかかる費用となる。

 NTTドコモのiモードをはじめ,auなど,課金が行われるキャリア正式コンテンツにアクセスできるすべての携帯電話に対応する。アプリケーションエンジンとしては,通常使われるCGIではなくJava Servletを採用することで,フロントエンドでの負荷軽減,高負荷時の分散処理などに優位性を持たせている。データベースサーバには,非常に短いクエリの処理に適したSybaseを採用している。設備面はCTC,サーバリソースの監視はCSK-NETが行う。

 同時に,セガグループが出資している韓国のマルチメディア企業ePointとの提携も発表された。ePoint社長のMyoungjin Cho氏は,「韓国は日本の3分の1の人口ながら,ネットワーク人口は数倍」「韓国でも5万人の無線インターネット端末ユーザーがいる」と,早くからブロードバンドインターネットが普及している韓国の市場を語る。ネクステックとePointでは日本とは別にサーバ群を設置し,韓国でも同様のサービスを提供していく。

 また,2001年には米国,ヨーロッパ,アジア各地への進出も検討しているという。

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関連リンク
▼ NEX-COMPASS TEL (03)5321-2827
▼ ネクステック TEL (03)5321-2811

[斎藤健二, ITmedia]

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