News 2000年11月16日 11:10 PM 更新

クリスマス商戦に向けトイザらス・ドット・コムがサービス開始

eクリスマスの大本命であるトイザらス・ドット・コムが来週よりサービスを開始する。強みはやはり実店舗とブランド力だ。

 クリスマス商戦に向け,トイザらス・ドット・コム ジャパン(www.toysrus.co.jp)が本格的にサービスを開始する。半月ほど前より,試験的にサービスを提供していた同社だが,今月21日より,Toys"R"us店舗などで大々的にプロモーションを展開。日本にも“eクリスマス”の文化を広めようと目論む。トイザらス・ドット・コムは,今年10月に,米Toysrus,日本トイザラス,ソフトバンク・イーコマース,日本マクドナルドなどが合弁で設立した(10月3日の記事参照 )。

Toys"R"us店舗をフル活用

 eクリスマスの本場である米国では,今年の年末商戦の見通しについて,2つの調査会社が正反対の予測を出すなど,先行きが不透明な状況となっている(昨日の記事参照 )。

 トイザらス・ドット・コムのジェネラルマネージャであるRay Gruber氏も,「今年のクリスマス商戦では,4社程度しか生き残れない。昨年は競合が12社もいたのに」と話す。ただ同氏は,「ショッピングサイトの集約が進んでいるだけであり,もちろん,Toysrus.comは勝ち組だ」と強調する。「オンラインでの売り上げは順調に伸びており,昨年の4倍はいくだろう」(同氏)

 では,国内ではどうだろうか。トイザらス・ドット・コムマーケティングディレクターの中島郁氏は,「やはり,実店舗を持つ強みは大きい」と話す。「Toys"R"usでもToysrus.co.jpでも使える共通クーポン券を発行するほか,プロモーションについても,既存のリソースを活用できる」(同氏)。具体的には,トイザらス・ドット・コムでは,新聞の折り込み広告に検索用の商品番号を記載し,サイトにアクセスしたときにすぐに商品が見つけられるようにするという。

 ただし,Toysrus.co.jpで取り扱う商品については,実店舗の10分の1程度の2000点だけと少々物足りない。この点について中島氏は,「Toys"R"usの顧客には,ピンポイントで商品を購入する人が多く,いたずらにラインアップを増やしても仕方がない。将来的には商品を拡充する計画だが,サービス開始時でも売れ筋とイチ押しの商品は取りそろえている」と説明する。特に Toysrus.co.jpでは,店舗でも大きな売れ行きを見せているベビー用品やフィギュアに注力する方針だ。そのほか,ラッピングサービスやグリーティングカードサービスなども充実させる。

 「毎年12月になると,Toys"R"us店舗では駐車場に入るのに2時間待ちという状態になる。そして,店内に入っても希望の商品が売り切れていることが少なくない。顧客にとって,オンラインで商品を購入するメリットは十分にある」(同氏)

 実際の店舗と強力なブランド力がB2Cの成功要因となることを,ユニクロが証明した(10月27日の記事参照 )。同じ要素を持つトイザらス。中島氏は,「ユニクロが扱っているのは生活必需品。われわれとは違う」と控えめだが,年末商戦に関しては「国内に競合はいない」と強気な姿勢を見せた。

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▼ Toysrus.co.jp

[中村琢磨, ITmedia]

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