News 2000年12月20日 10:00 PM 更新

今年はウイルスの大当たり年,来年は携帯電話・PDAがターゲットに

トレンドマイクロが2000年のウイルス被害状況を総括。来年は携帯端末・携帯電話が狙われるという。

 トレンドマイクロは12月20日,2000年に確認された各種ウイルスを「ワーストランキング」として発表した。これは,同社に報告された日本国内のウイルス情報をもとに,感染規模・危険度に応じてランク付けしたもの。

順位名称種類備考
1PE_MTX.A(TROJ_MTX.A)ファイル感染型
トロイの木馬型(ワーム)
通称:マトリックスウイルス
2VBS_LOVELETTERVBスクリプト型(ワーム) 
3X97M_LAROUX.Aマクロ型 
4TROJ_SKAトロイの木馬型(ワーム)Happy99の2000年版 花火画像を表示する
5TROJ_PRETTY_PARKトロイの木馬型(ワーム) 
6TROJ_NAVIDAD.Aトロイの木馬型(ワーム)通称:Navidad(スペイン語でクリスマスの意)
7X97M_DIVI.Dマクロ型 
8VBS_STAGES.AVBスクリプト型(ワーム) 
9VBS_KAKWORM.AVBスクリプト型(ワーム) 
10TROJ_QAZ.Aトロイの木馬型(ハッキングツール) 

 今年のウイルス被害は,今年1月から11月までで届け出件数が,昨年(3645件)の2.3倍近い8331件を記録するという異常事態となった(12月7日の記事参照 )。トレンドマイクロはこうした状況について「ネットワークを介して自己増殖するワーム型が猛威を奮ったため」と解説。特にマトリックスウイルスについては,「ハッキング型とワーム型の複合タイプとして台頭した新種。強力な感染力を持ち,依然として減少する傾向にない」と引き続き警戒を怠らないよう呼びかけている。

 「昨年のMelissa以来,企業ではウイルス対策が着実に進んでいるが,初心者ユーザーは全くの無防備だ。ウイルスの脅威を知らないまま,感染源となっていることも多い」(トレンドマイクロ)。

 またトレンドマイクロでは,今後注意が必要なウイルスとして,PDA・携帯電話をターゲットにしたものを挙げる。既に,EPOC搭載機に感染するウイルスや,Palm OSに感染する「Palm_LIBERTY.A」「PALM_PHAGE」などが確認されているが,「今後も新種の登場が予想される」(同社)と警戒。さらに,携帯電話については「Java対応版が登場することで,感染の危険性が出てきた」としている。

 「携帯電話やPDAでは,ハードウェアのリソースが限られているため,端末側ではなく,メールサーバなどの段階で対策を行うのが有効だろう」(トレンドマイクロ)

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