News 2001年2月20日  11:05 PM 更新

イー・アクセス,NTTのFTTH実験に参画へ

増資とダークファイバーにより,イー・アクセスは,事業基盤の強化に乗り出した。FTTHサービスを視野に入れ,NTTの実験サービスにも参画する方針だ。

 DSL事業者のイー・アクセスは2月20日,事業基盤の強化策を相次いで発表した。これには,第3者割当増資による50億円の資金調達,NTT東日本からのダークファイバーの獲得,そして名古屋地区でのサービス開始が含まれている。また同社は,NTTの“フレッツ・光”こと「光・IP通信網サービス」(仮称)と連携してFTTHの試験を行う方針も明らかにした。

 まずイー・アクセスは,NTT東日本から中継回線として光ファイバーの心線を借り受け(ダークファイバー),首都圏のバックボーン強化に乗り出す。2月6日付けで相互接続協定を締結しており,現在のATMメガリンクを使ったバックボーンをダークファイバーへと置き換える予定だ。また,NTT西日本とも協定締結に向けた協議を進めているという。

5月にも名古屋市内でサービス展開

 一方,同社は東海地方での本格的なサービス展開を見据え,名古屋市内に拠点を設ける。現在は,支店の設立に向けた準備を進めている段階だが,サービスは2001年第1四半期中に開始するとしている。「5月の提供開始を目指してNTTと交渉中だ。2月末もしくは3月上旬にも詳細を発表できるだろう」(イー・アクセス)。名古屋は,先行する名古屋めたりっく通信が下り最大640KbpsのADSL回線を月額3980円という戦略的な値段で提供しており,対抗するCATV事業者も値下げを行うなど,ブロードバンドの低価格化を先導している地域。ただし,イー・アクセスのビジネスはISPに対するホールセールに限られているため,「全国規模のサービスを展開しているISPが名古屋だけ安くすることは考え難い」(同社)という。

FTTHへ向けた検証も

 有線ブロードネットワークスの発表で注目を集めているFTTHだが,同社では「事業化についてはDSLと光アクセスのニーズを見定めて判断する」と慎重な構えだ。しかし,その準備段階として,NTTの実験サービスに参画し,相互接続などの検証を行うという。今のところ,自前のアクセス回線を引く実験は予定していないが,光・IP通信網サービスで使われているNTTの独自方式「シェアードアクセス」と同社のバックボーンとの接続などが焦点となる。「NTTとの交渉は進めている。詳細は数カ月以内に公表できるだろう」(同社)。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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