News 2001年6月15日 01:33 PM 更新

米Eastman Kodak会長兼CEOが来日し,近況報告

米Eastman Kodak会長兼CEOのDaniel A. Carp氏が来日。都内ホテルで近況を報告した。

 コダックは6月14日,米Eastman Kodak会長兼CEOのDaniel A. Carp氏来日にあたり,都内ホテルで近況報告会を開催した。


Eastman Kodak会長兼CEOのDaniel A. Carp氏

 国内の取引先関係者やマスコミを対象に行われた報告会で,Carp氏は同社の事業活動について説明。「写真ビジネスの新しい動きとコダックの事業活動」「2005年までの中期計画と日本市場」をテーマに,約1時間のスピーチを行った。

 「日本と同様に米国も景気は良くない。景気回復の時期を予想するのは難しいが,はっきりいえることは,Kodakは(景気に左右されず)発展していくということ。景気が回復すれば,われわれは今まで以上に強い企業になっているだろう」と強気の発言から始まったCarp氏は,デジタルイメージングがビジネスを広げるとし,同社としてもデジタル事業に注力していることをアピール。

 「デジタル事業もデバイスだけでなくシステムやサービスまでビジネスは拡がる」とするCarp氏は,同社ビジネスを表現する新しい言葉として「INFO IMAGING」を掲げた。これはInformation TechnologyとImage Scienceを組み合わせたもので,INFO IMAGINGの市場は「全世界で約27兆円に及ぶ」という。27兆円の内訳は,サービス&メディア分野が16兆4000億円,デバイスとインフラの分野がそれぞれ5兆3000億円ずつ。

 このようなINFO IMAGINGの市場を中心に,2000〜2005年における同社の年間平均成長率を,5〜7%と予測したCarp氏。銀塩や感材といったレガシー事業の成長を1〜2%と鈍い伸びを予測する一方で,成長著しいデジタル事業は12〜20%の伸びを予測するなど高い成長を期待している。

 デバイス分野では,デジタルカメラのほか,フィルムスキャナやセンサ,有機LEDディスプレイなどを手がけるなど,多方面の戦略を実施。特に,同社が基本技術特許を多数取得している有機LEDディスプレイに関しては,昨年10月にディスプレイ事業部を設立。将来,年間30億ドルの市場規模になるとの予測もある有機LEDディスプレイ市場への取り組みを強化している。

 また,米国で4月に発売し,日本でも6月末に発売予定のマルチメディアデバイス「mc3」も紹介。「初心者がデジタルカメラを扱うにあたっての最大の障壁は,値段ではなく操作の難しさにある」とCarp氏は語り,mc3でも採用されたクレードル方式がその解決策の1つだと述べた。

 日本市場での取り組みについては「日本法人としては今まで3年間,マネジメントシステムや組織構造の改善,ブランディング戦略,デジタル化戦略などさまざまな施策を行い,成果が現れている」と評価。Eastman Kodakの全社的な取り組みとして,「コストや在庫の削減」「資源の集中投下」「顧客満足度の向上」を掲げて,スピーチを終えた。

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[西坂真人, ITmedia]

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