News 2001年6月27日 10:54 PM 更新

Tualatin搭載で似通ってくる各社のハイエンドノート

Intelブースには,各社のTualatin搭載ノートPCがある。いずれも似たようなスペックであることに気が付いた。

 米Intelは,モバイルPentium III-M(コードネーム:Tualatin)搭載のノートPCを,ニューヨークで開催中の「TECHXNY」で展示している。モバイルPentium III-Mは,従来のモバイルPentium IIIに一部改良を施し,0.13μmプロセスで製造する新バージョン。負荷状況に応じて電圧と周波数をアダプティブに変化させるSpeedStepの進化バージョンや,2倍の512Kバイトへと増量された2次キャッシュメモリが内蔵されている。

 現地で展示されているのは,別途レポートしたソニーの「バイオノートGR シリーズ」(米国モデルはVAIO Notebook PC GR Seriesの名称)や,富士通,Acer,Hewlett-Packard,Dell Computer各社のA4ファイルサイズのハイエンド機。いずれも発売時期などは不明だが,モバイルPentium III-Mの発表が7月末と見られていることから,Intelが正式発表を行う時点で多くの機種が発表・発売になるはずだ。


Intelブースに並べられていた各社のノートPC。低電圧版や超低電圧版の Coppermine搭載機に混じってTualatin搭載機も

 気が付いたのは,いずれの機種も非常によく似たスペックになっているということ。例えばグラフィックチップは,全機種がATI Technologiesの「Mobility RADEON」を搭載している。キーボードやポインティングデバイス,ならびに液晶パネルといったユーザーインターフェイス部分以外には,ほとんど違いを感じられないのは偶然ではないだろう。ハイエンドを指向した製品が,同じコンポーネントの採用に向かうのは自然な流れかもしれない。

 Intelでは「詳細は発表時」の一点張りで,モバイルPentium III-Mの細かな内容は明らかにしていないが,製造プロセスの進化により,発熱が確実に減っているのは明らか。連続して負荷をかけた状態でなくとも,モバイルPentium IIIは1GHzクラスの製品となるときょう体はそれなりに熱くなるが,モバイルPentium III-M搭載機は(手で触れたレベルでだが)かなり発熱が減っていた。

 Intelはほかにも,低電圧版/超低電圧版のモバイルPentium IIIを搭載したノートPCを展示していたが,こちらは従来のCoppermineベースのもの。モバイルPentium III-Mの低電圧版,超低電圧版は,公式には今年後半の発表(噂レベルでは9月〜10月)とアナウンスされている。

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[本田雅一, ITmedia]

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