News | 2001年8月6日 09:58 PM 更新 |
先週,米Microsoftは開発者向けサイトに「Windows XP RC2」(リリース候補第2版)をアップロードした。6月末にRC1を完成させてから4週間で,バグ修正版がリリースされたことになる。RTM(製品製造工程向け出荷)の予定は明確になっていないが,10月25日のパッケージ出荷に向けてMicrosoftはラストスパートをかける。同社は,年末商戦を控えるPCベンダー向けに,可能な限り早くRTM版を引き渡すことに注力しているからだ。
また,日本語版に関しては6月中旬にRC1が登場しているが,開発スケジュールは2週間遅れで推移していることから,RC2の日本語版がリリースされるのは今月10日ごろと見られる。ただ,マイクロソフトはRC2の大規模な配布は行わない予定だ。
RC2をインストールしてまず気が付くのが,インタフェース回りのバグが解消されていることだ。Windows XP RC1では,タスクバーなど,主にユーザーインタフェースを担当するデスクトップシェルの部分にハッキリと分かるバグが混入していたが,RC2では目立ったものはかなり減少している。
Windows XPではOSの起動時間やサスペンド-レジューム,ハイバネート-レジュームの速度が高速化されているのが特徴だ。RC2では,ベータ2から大きく進化したRC1と比べても,全体の動きが軽くなっていることが体感できる(TM5600/600MHzを搭載するNECの「Lavie MX」は,プロセッサが低速なためかの効果が良く出ているようだ)。
Microsoftがハードウェア開発者向けに配布している,起動やレジュームの速度を計測/分析する 「Bootvis」というツールでLavie MXの起動速度を測ってみると,OSの読み込み開始から27秒,サスペンド-レジューム速度は3.1秒だった(いずれもRC2英語版での数値)。
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Microsoftによると,レジューム時間はBIOSをWindows XP向けに最適化することでさらに短縮可能で,既にいくつかの製品のレジューム時間は2秒以下になっているという。
さらに努力の跡が見られるのが,ハイバネート-レジュームだ。Windows XPではハイバネート用ファイルへのアクセスをATAハードディスクのDMAモードで実行するように改良され,128Mバイトのレジュームファイルの読み込みに上記条件で約2秒しかかからない。読み込み後のレジューム処理も,Bootvisの画面ショットにあるようにわずか1.7秒。高速起動BIOSと組み合わせれば,10秒以下でハイバネートモードから復帰できる。
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また,メモリサイズが大きく高速なプロセッサやハードディスクを搭載するデスクトップPCでは,さらに高速な起動を行うことが可能だ。これはWindows XPが,ドライバ初期化を行っている間にシステム起動に必要なファイルをバックグラウンドでメモリ上に配置する処理を行い,初期化終了後にオンメモリで起動プロセスが続行されるためだ。
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