News | 2001年8月22日 03:00 PM 更新 |
暗闇撮影でまず困るのが,しっかり被写体をフレームに入れることだろう。ナイトフレーミング機能では,まずナイトショットで赤外線を照射することで目視で被写体をフレームに入れることができる。次にホログラフィックAFが作動し,暗闇でもしっかりとピントが合わせられる。
この時に「IRカットフィルター」がホログラフィックAFと連動して赤外線を遮断し,元来の自然な暗闇状態に戻す。そして最後にフラッシュを使って撮影する。この機能によって,明かりが全く無い暗闇でも,しっかりしたピントや自然な色合いの撮影ができるという仕組みだ。
フラッシュを使った暗闇での撮影は,肝心の被写体にピントが合ってなかったり,色合いがおかしかったりすることが多いので,この機能は使い出がありそうだ。
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モード切替えはダイヤル式。ダイヤル左側にナイトショット/ナイトフレーミングの切り替えスイッチが並ぶ |
ボディは,マグネシウムダイキャストを使っている。さらにレンズ前部周辺は削り出しのアルミニウムを使用。高い質感と剛性とを兼ね備えつつ,軽量なボディを作り出している。
カール ツァイス“バリオゾナー”レンズは口径が大きくなり,F値も2.0〜2.4と明るくなっている。絞りシステムも銀塩カメラと同様の6枚羽絞りを採用。「自然なボケ味を出すことができる」(同社)ことで,レンズにこだわるハイエンドユーザーにアピールしている。
一眼レフの望遠レンズに小さな箱が付いているような独特なボディ形状は,前モデルからの特徴でもある。F505Vでも好評だった回転レンズは,F707でもしっかり受け継がれている。上方向に77度,下方向に36度動くので,ボディをホールドしながら多彩なアングル撮影ができ,手振れに強いのがメリットだ。
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(左)多彩なアングル撮影ができる回転レンズ。(右)モニターとは別に液晶ビューファインダーを搭載 |
一方で,そのユニークなボディ形状は光学ファインダーを装備する場所を奪ってしまい,前モデルでは液晶モニターで撮影対象を確認するしかなかった。今回の新製品もボディ形状は前モデルをほぼ踏襲しているため光学式のビューファインダーは見送られたが,替わって液晶方式のビューファインダーが採用された。
同方式は,バッテリ寿命の点では光学式に一歩譲るものの,レンズから入ってくる「見たままの映像」を撮影できるという一眼レフ的なメリットがある。なお,この液晶ビューファインダーと液晶モニターとは切り替えスイッチで使い分け,併用はできない。
そのほか,128Mバイトのメモリースティックに最大約90分のMPEG映像が連続撮影できる「MPEGムービーEX」など,動画撮影機能も強化されている。
画面を最大49(7×7)のエリアに分けて測光する「マルチパターン測光」や,約2秒の高速起動,最短2センチまで近づけるマクロ撮影,露出をずらして3枚連射できる「オートブラケット」,オート/100/200/400の4段階に切り替えができるISO感度設定,最大2時間30分の連続撮影が可能なバッテリーなど基本性能も充実している。
別売りアクセサリーとして,広角撮影時に撮影視野外からの有害光線を防ぐ花形フード(LSF-H58,4500円)を新たに発売するほか,外部フラッシュ(HVL-F1000)やリモコン三脚(VCT-D480RM)といった従来のアクセサリーも使用できる。
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別売りアクセサリーを装着した状態。ハイアマチュアのカメラファンが好みそうなスタイルだ |
主な仕様は以下の通り。
製品名 | DSC-F707 |
撮像素子 | 2/3型502万画素(総画素数524万画素)CCD |
記録方式 | JPEG,TIF,GIF |
レンズ | バリオゾナー9.7〜48.5ミリ(35ミリカメラ換算で38〜190ミリ),F2.0〜2.4 |
シャッタースピード | 30〜1/1000秒 |
露出制御 | オート(+/−2EVまで1/3EVステップの補正が可能) |
液晶ディスプレイ | 1.8型TFT(18万ピクセル) |
記録メディア | メモリースティック(16Mバイトタイプ付属) |
電源 | インフォリチウムMバッテリ |
サイズ | 119.5(幅)×68.9(高さ)×151.0(奥行き)ミリ |
重さ | 約594グラム |
価格 | オープン(実売想定価格12万円前後) |
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