News 2001年9月11日 10:19 PM 更新

「プラットフォームデイ」でPentium 4メインストリーム化を誇示したインテル(1)

インテルはi845チップセットの国内発表に合わせて,Pentium 4のプラットフォームを「普及機からハイエンド機/省スペースPCからフルタワーPC」と幅広く普及させていく計画を明らかにした。また,PC各社からはi845搭載のPentium 4デスクトップPCが紹介された。

 インテルは9月11日,都内ホテルで「Pentium 4 プロセッサ プラットフォームデイ」を開催し,Pentium 4をデスクトップ用CPUのメインストリームセグメントまで急速に普及させていくためのプラットフォーム戦略を語った。

 当初,佐藤真衡副社長がスピーカーとして出席する予定だったが,台風15号による悪天候のため,急きょ同社第一営業本部営業本部長の板野勝美氏が代役を務めた。


ピンチヒッターを務めた板野氏

 壇上に立った板野氏は,1971年の4004プロセッサから2GHzのPentium 4までの30年の歴史を振り返り「P6マイクロアーキテクチャでは1GHzを超えるのに約6年かかったが,NetBurstアーキテクチャ採用のPentium 4では約1年で2GHzまで到達した。先日開催されたIDFでは,3.5GHz動作のデモンストレーションを行ったが,実際に3GHz以上で動くCPUの発表も近い将来に実現するだろう」と語った。


NetBurstアーキテクチャで,短期間に大きくクロックアップしたPentium 4

 同社はPentium 4プロセッサをメインストリームのプラットフォームにするため,Pentium 4の戦略的な価格設定を行っている。8月28日に発表されたPentium 4の価格は,1.9GHz版で4万7130円。これまでの同社のフラッグシップCPU価格からすると大バーゲンだ。

 ただし,高価なRDRAMを使わなくてはいけないi850チップセットでは,メインストリームに投入するための安価なPCは作れない。そのため安価なSDRAMをサポートするi845チップセットをメインストリーム向けに擁立したというわけだ。「i845によって,Pentium 4でも10万円を切る価格帯のデスクトップPCが次々と登場するだろう」(板野氏)。

 しかし,メモリのバンド幅が狭くなるi845チップセットは,i850と比べると性能ダウンは否めない。そのため,i850チップセットはパフォーマンス・セグメント向けとして,これまで同様に高性能モデルへ採用されていく。つまり,2つのチップセットを投入することで,メインストリームからハイパフォーマンスまで幅広くカバーする“Pentium 4全方位戦略”が展開されるというわけだ。


メインストリームからハイパフォーマンスまでカバーするPentium 4全方位戦略

 i845チップセットは設計が容易で,マザーボードの製造コストが削減できるというメリットもある。メモリ自体が高熱を発するRDRAMを使わない分,i850チップセット搭載機と比べて熱対策にも余裕が生まれるため,ブック型など小型デスクトップPCにも採用できる。「i850チップセット搭載機ではタワー型のPCが主流となっているが,i845チップセット搭載機では省スペース型デスクトップPCも数多く登場するだろう」(板野氏)。


年末商戦では,i845チップセット搭載の省スペース型Pentium 4マシンが続々登場する

 この「Pentium 4搭載PCが続々登場してくる」という板野氏の言葉を象徴するように,別会場ではPCメーカー各社の「デモ・ショーケース」が開設され,秋から年末にかけて発売が予定されているi845チップセット/Pentium 4搭載のデスクトップPCが紹介された。またハードメーカー以外にも,15社のソフトウェアメーカーがPentium 4に最適化した各種アプリケーションを展示した。

前のページ1 2次のページ