News 2001年9月18日 11:55 PM 更新

ウワサの“ビームサーベル付き”ロボット見てきました

富士通研究所が開発したヒューマノイドロボットの「HOAP-1」が日本ロボット学会でデビューを果たし,大きな注目を集めていた。さて,その実力や如何に?

 実物を見て確信した。やはりこれは「ビームサーベル」に間違いない――。東京大学で開かれている「第19回日本ロボット学会」では,富士通研究所が開発した小型2足歩行ロボット「HOAP-1」のデモンストレーションが行われている。


富士通研究所が開発したヒューマノイドロボットの「HOAP-1」。目玉は1/3型27万画素CMOSセンサーだ。これは無線カメラになっており,マイクロ波で映像を飛ばすことができるという(見通し30メートル)。肩口に見えるヒモのようなものは,“体内LAN”を構築するUSBケーブルだ

 HOAP-1の身長は約48センチ。ソニーの2足歩行ロボット「SDR-3X」(50センチ)とほぼ同じだ。デザインもどことなく似ているが,HOAP-1は,学会員の間で「メカっぽくてカッコいい」と好評だ。


動きは,SDR-3Xというよりも,「PINO」に近い。腰をクネクネさせるモンローウォークなのは,バランスを取るため。最初に敬礼しているように,独自のアルゴリズムを開発すれば,お辞儀させたり,屈伸させたりなど,動作パターンも増える(動画を見る。約600Kバイト

 正式名称の「Humanoid for Open ArchitecturePlatform-1」が示すように,HOAP-1は,研究機関や大学の研究所に対してロボットの研究プラットフォームとして販売される。展示会場にいた富士通研究所の担当者によれば,「ロボットのアルゴリズムを開発している研究者の間では,検証用のハードウェアが必要とされている」という事情があるらしい。


HOAP-1の背面。脚部には多数のアクチュエータを装備する。基盤を積むランドセルが少々大きいかなという印象。また,ロボット本体には拡張USBポート×8を備え,モータ制御基板やセンサ処理基板などを増設することができる

 ソニーのようにエンターテインメント向けのロボットではないので,「背中の無線LANのアンテナがビームサーベルに見える」などと言ったら怒られてしまいそうだ。だが,念のためツッコミを入れてみると,「いえいえいえ(笑)」という微妙な回答が。まさかホントに……(もちろん,引っこ抜いてもピンク色に光っていたりするわけではない。念のため)。

 価格は,オープンプライス。実売で約575万円だ。一般ユーザーが購入するような代物ではないが,興味がある読者のために,簡単にスペック表を記しておこう。

製品名 HOAP-1
身長 約48センチ
重量 約6キロ
中央制御ユニット(ランドセル内): MMX Pentium/300MHz相当。32MバイトRAM(メインメモリ)。CF型メモリ32Mバイト。基本制御は外部のPCから行うため中央制御ユニットはオプションとなる
自由度 20(腕部:4自由度×2本,脚部:6自由度×2本)
センサー 関節角センサー,3軸加速度センサー,3軸角速度センサー,足底感圧センサー(足の4角に配置)
コントロール用PC(標準同梱) OS:RT-Linux,CPU:Pentium III/700MHz相当,基本シミュレータなどを含むアプリケーションCD付属

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[中村琢磨, ITmedia]

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