News:速攻レビュー 2001年9月27日 11:55 PM 更新

速攻レビュー:ソニー「サイバーショットF707」の夜間撮影機能を試す(1)

ソニーが発売するF707の最大の特徴は,これまでのデジカメの概念を覆す「夜間撮影機能」だろう。発売1週間前ということで,夜間撮影機能に特化した“発売直前レビュー”をお届けしたい。

 10月4日に発売が予定されているソニーのデジタルカメラ「サイバーショットF707」。同社最上位機種となるF707の最大の特徴は,これまでのデジカメの概念を覆す「夜間撮影機能」だろう。(スペックの詳細は8月22日の記事参照)

 発売まで1週間足らずということで,夜間撮影機能に特化した“発売直前レビュー”をお届けしたい。

 F707は,夜間撮影機能「ナイトショット」を搭載している。赤外線を照射することで暗闇の被写体を撮影することができるこの機能は「デジタルカメラでは世界初」となるシステムだ。


人間の目には見えない赤外線で,暗闇でも被写体を照らし出す

真っ暗闇でも“ナイスショット!”なナイトショット

 このナイトショットを使って,都内某所の公園で撮影を試みた。

 この公園を選んだのは,最小限の照明しかないため。そのせいか,カップル御用達のスポットらしい。足元を照らす間接照明がベンチ横や遊歩道などに少し設置されているだけなので,ナイトショット機能を試すにはもってこいの場所だ。

 ナイトショット機能をONにして,あとはカメラまかせで撮影したのが次の写真だ。


真っ暗の公園でナイトショット撮影

 画像の元データは,5メガピクセル(2560×1920ピクセル)で,絞りはF2.4,露出時間は1/8秒となっている。ナイトショットの時はシャッター速度や絞り値,露出補正といった調整ができない。手ブレ防止のため三脚を使用している。

 狙った場所はほとんど真っ暗状態で,肉眼では手前の人達が辛うじて見える程度だった。ところが,ナイトショットを使った撮影では,その先の海岸沿いに座っている人まではっきり写っている。ファインダ上でも赤外線が照射された状況がしっかり確認できたため,写真のようにフレームにバランスよく収めることができた。

 次にベイブリッジを撮影してみた。ナイトショットでは赤外線の届く距離が限られているので,当然ベイブリッジまでは届かない。


ナイトショットで撮影したベイブリッジ。これはこれで幻想的だ

 このF707には,赤外線を使わない通常撮影でも夜間に適した機能が搭載されている。その中でも,長時間露光で生じるデジカメ特有のノイズを除去する「NRスローシャッター」が,こうした条件下での撮影には役に立つ。

 この機能は,シャッター速度を2.5秒以上に設定すると自動的に作動する。先ほどのベイブリッジを,同じ位置から今度は長時間露光で撮影してみた。


長時間露光で撮影。ノイズを除去する「NRスローシャッター」機能(拡大画像

 露光時間は3秒。当然,三脚を使用している。ベイブリッジは結構明るいので,絞りはF3.5とし,ISO100で撮影した。NRスローシャッターによるノイズリダクション効果とISO100という低感度撮影で,ノイズ感の少ないキレイな画像になっている。

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