News:速攻レビュー | 2001年10月23日 01:11 PM 更新 |
マイクロソフトのOffice Keyboardが10月26日発売となる。米国版は8月13日に発表,Webサイトなどでのレビューもそれ以前から掲載されていたから,そのころから日本語版の登場を期待していた読者もいることだろう。
なにしろ,Office XPの開発元であるマイクロソフト自身が「Office XPに最適化した」と謳うキーボード。さぞかしOffice XPユーザーの作業効率をアップさせてくれるはず,と思うのが当然だからだ(9月11日の記事参照)。さて,期待は現実となるのか? その使い心地を一足先に試してみた。
基本的な情報については,すでにマイクロソフト側が専用のページを設けている。通常のキーボードとの違いが,そこで詳細に解説されている。通常のキーボードと“Office Keyboard”との相違点は,大きく分けて次の4つだ。
(1)上部にプログラム起動用ボタンと音量調整ボタン,ログオフ/スリープボタンなど(ホットキー)を配置したこと。(2)キーボード左にクリップボード操作やスクロール,アプリケーションの切り替えなどのウィンドウ操作系ボタン(シングルタッチパッド)を配置したこと。(3)ファンクションキーや特殊機能キーをOfficeの機能を直接呼び出すキーへと切り替えられるようにしたこと。(4)左側に大きく特殊ボタン類が張り出しており,全幅を抑えるために配列が少々変更されていること。
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Microsoft Office Keyboard。左側に特殊ボタンが割り当てられ,大きく張り出しているのがわかる |
では順番に見ていくことにしよう。
(1)上部のホットキーWord,Excelの起動ボタンが目立つ。ホームはInternetExplorerの起動,メールはOutlookの起動,カレンダーはOutlookカレンダーの起動,ファイルはエクスプローラ起動,電卓は電卓の起動だ。音量調整やログオフ,スリープボタンは説明不要だろう。カレンダーはOutlookをすでに開いている場合でも,別ウィンドウで呼び出される。
それぞれのボタンはカスタマイズを行うことも可能で,特定のプログラムを起動させたり,Webページを呼び出すことが可能だ。たとえばメールボタンにWebメールサービスを登録したり,任意のメーラを登録できる。またWordボタンにWord Pro,Excelボタンに1-2-3といった割り当ても行える。
(2)シングルタッチパッドマイクロソフトがシングルタッチパッドと名付けたキーボード左の操作パネルは,主にウィンドウ操作を行うエリアである。一番上に配置された[戻る]と[進む],そしてその下にあるスクロールホイールは,同社のマウス製品に搭載されている機能とまるまる同じだ。
切り取り,コピー,貼り付けは,それぞれクリップボード操作,アプリケーションの切り替えは名前の通りアクティブなアプリケーションの切り替えを行うキーである。
これらのキーも,望むなら特定のプログラムやURLを割り当て,ホットキーとして利用することが可能になっている。
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[進む][戻る]などウィンドウ操作に便利な機能がまとめられているシングルタッチパッド |
この部分にはマイクロソフトが名前を付けていないので呼びにくいのだが,ここではワンプッシュアクセスキーとでも名付けておこう。左上にある[F Lock]を押してその下のインジケータを消すと,ファンクションキーの並びにあるキーがOfficeの機能を直接呼び出す機能を持つようになる。
この時,通常のファンクションキーとしては動作しなくなる。キーの数が多いため写真を見てもらうのが早いが,作業ウィンドウの表示切り替え,開く,閉じる,返信,転送,送信,スペルチェック,上書き保存,印刷,元に戻す,やり直しといったキーが並んでいる。
このうち,元に戻すとやり直しは,[F Lock]インジケータの状態にかかわらず利用可能となっている。また,テンキー上部にはイコールやカッコ,バックスペース,タブなどが並び,テンキー周辺だけで基本的なExcelの操作が行えるように配慮されている。
なお,これらのキーもカスタマイズによりホットキーとしての動作させることができる。
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Keyborad右部。ファンクションキーの並びに印刷,元に戻す,やり直しといったキーが並んでいる |
ホットキーに関しては,ストレートに便利だといえる。電卓が一発で呼び出せたり,音量調整,メーラの呼び出しが行えるキーボードは他にもあったが,この製品では,カレンダーの呼び出しまで行えるからだ。
もっとも,これだけのためにOffice Keyboardを購入する人はいないだろう。ホットキーだけなら,他製品をカスタマイズするだけでも用が足りてしまうからだ。