| News | 2001年10月25日 09:00 AM 更新 |
XPに最適なのはPentium 4と主張するインテル――その理由は？(1)
インテルは24日，記者発表会を行い，25日に米国で発表されるWindows XPのPentium 4への最適化について，技術的な側面からの説明を行った。同社によれば，5つの分野で速度の向上を図り，1つの分野で信頼性向上のための最適化が図られているという。
米国時間の25日，米国ニューヨークのマリオット・マーキーズ・シアターにおいて，Windows XPの発表イベントが開催される予定だ。これに向け，景気の悪さを払拭すべく各社はマーケティング活動にいそしんでいるが，その中でもとりわけ目立つのが，インテルとマイクロソフトの"協業"だ。
一時は距離を置きつつあった両社だが，ここしばらくは密接な関係を保っている。両社の開催する重要なイベントには，もう片方の役員が必ず出席し，講演を行っているなど，蜜月と言っていいほどだ。
そして業界が再び盛り上がる事をきっかけとして，両社はこのほど，WindowsとPentium 4の共同マーケティングプログラムを実践していくことを明らかにした。
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| Windows XPがPentium4で最適化されていることを訴える共同マーケティングのロゴ |
24日に都内で開催されたインテルの記者発表会に登場したマイクロソフト Windows製品部部長の御代茂樹氏は「我々の業界は，電子メールとWebという2つのアプリケーションによってここまで拡大してきた。しかし，新しい世界へと踏み込まなければならない時期だ」と話し，新しいアプリケーションにふさわしいプラットフォームとしてのWindows XPと，新しいアプリケーションを可能にする高性能なPentium 4によって，業界に新しい流れを創り出す必要性をアピールした。そうした背景を踏まえ，両社はワールドワイドで協力しながら，共同でマーケティング活動を行っていくという。
御代氏は「新しい使い方を提案し，それに対してエンドユーザーに興味を持ってもらうこと。それが今，この業界に必要なことなのだ」と話す。インテルe-マーケティング本部の荒木義満氏は「デジタルメディアやブロードバンドの可能性を最大限に生かす，信頼性の高い安定したマルチタスク環境と，将来に向けての余裕と柔軟性が，新しいPCにはあるとの認知を高める」ことで，Windows XPとPentium 4のマーケティングを行うという。手始めとして，両社は11月10，11日の両日，新宿高島屋でPentium 4とWindows XPのプロモーションイベントを開催する。
Pentium 4がWindows XPに最適な理由とは？
もっとも，すべてのPCユーザーに対して強くアピールしたいWindows XPが，Pentium 4だけのため"だけ"に特別な対応を取っているとは考えにくい。実際，前出の御代氏はつい先日，AMDのAthlon XP発表会でも「Athlon XPはWindows XPに最適なプロセッサ」と発言していたばかりだ。この点について問われると，御代氏は「Ahtlon XPに対しても最適化はしていますが……」と言葉を詰まらせてしまった。
しかしインテルは，マーケティングメッセージではなく，テクノロジの観点からWindows XPのPentium 4への最適化について解説を行った。インテルeマーケティング本部の小鷲英一氏は「インテルはWindows XPの開発初期段階からマイクロソフトと協力し，Pentium 4への最適化作業を進めた。さらにOSだけでなく，今後Pentium 4に最適化されたアプリケーションが増加するにつれて，パフォーマンスのゲインはより大きくなっていく」と話す。
具体的には5つの分野で速度の向上を図り，1つの分野で信頼性向上のための最適化が図られているという。
まずDirectX 8.1が標準装備されるWindows XPでは，3Dグラフィックスのジオメトリ演算処理のうちトランスフォーメーションとライティングに，Pentium 4のSSE2命令が使われ，ハードウェアによるジオメトリエンジンを持たないグラフィックスカードにおいても，高性能な3Dグラフィックを期待できる（もっともPentium 4デスクトップPCのほとんどは，ジオメトリエンジンをハードウェアで持ったチップを採用しているが）。
次にシステムコールのインターフェイス部で，Windows XPはPentium 4のfastシステムコール命令（sysenterおよびsysexit）を利用している。この2つの命令は，Windowsの機能を関数として呼び出す際の処理を高速化するため，アプリケーション全般の高速化が期待できる。同命令はPentium IIで導入されたものだが，Pentium 4ではその実効速度が高速化されているという。
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