News | 2001年10月31日 11:55 PM 更新 |
松下電器ブースでは,5ミリ秒とCRTに迫る動画視認性を持った11型ワイドOCB液晶を参考出展。従来の液晶と並べて,応答速度が速くなった時の画質の違いを紹介していた。ただ,比較していた液晶が15ミリ秒と比較的速いタイプで,劇的な違いが見て取れなかったのは残念だ。「応答速度の遅い同サイズの液晶が,ラインアップになかった。他社製品と比較するわけにもいかないし……」と,担当者は苦笑い。
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CRTに迫る動画視認性を持った11型ワイドOCB液晶 |
三菱電機ブースでも,独自の動画対応技術を披露。応答速度が25ミリ秒ながら,液晶の中間調レベルの光学応答を高速化する技術「FFD(Feedforward Driving)機能」を採用した液晶ディスプレイを参考出展していた。こちらも,従来製品との比較を行っていたが,画質の違いは一目瞭然で,今後に期待できる新技術だ。同ブースでは,バックライトの点滅によって動画視認性を高める「間欠点灯バックライト」採用の液晶も展示している。
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独自の動画対応技術「FFD機能」を従来機との比較でアピール |
次世代ディスプレイとして期待の有機ELも,各社が力を入れて製品の1つだ。
特に鳥取三洋電機と東北パイオニアが展示も多く,すでに実用化されている車載用や,次世代携帯電話向けなどモバイル用途の参考出展などを行っていた。
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有機ELの紹介に力を入れる鳥取三洋電機。全て参考出展 |
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東北パイオニアでは,実用化されている車載用の有機ELなどを展示 |
大画面の薄型TVとして実用化が進んでいるプラズマディスプレイの展示も多い。NECでは世界最大の61型PDPを紹介し,日立製作所や富士通日立プラズマディスプレイではALIS方式のPDPを展示。松下電器や静岡パイオニア,LG Electronicsなどでも量産品や製品となっているPDPを,動画デモを交えてアピールしていた。
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大画面の薄型TVとして先行しているプラズマディスプレイ |
そのほか,PC用液晶ディスプレイの展示も多く,SXGA+(1400×1050)やUXGA(1600×1200),QXGA(2048×1536)といった高解像度タイプに各社とも力を入れていた。
その中でも注目が集まったのは,日本アイ・ビー・エムのブースに展示されたQUXGAワイド表示の22.2型液晶ディスプレイ。「CRTでは不可能な解像度」(同社)という3840×2400ピクセルの“超”高精細を体験してもらうためにと,ディスプレイの前に置いた虫眼鏡が来場者に好評で,順番待ちの列までできるほど。同ブースでは,新型ThinkPad A30pにも採用された広視野角IPS液晶モジュールの高解像度タイプも参考出展している。
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虫眼鏡で確認できるほど高精細なIBMの22.2型液晶 |
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