News：“祭り”は起きなかった――秋葉原のWindows XP深夜販売

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2001年11月16日　04:35 AM 更新

“祭り”は起きなかった――秋葉原のWindows XP深夜販売

Windows XP日本語版の深夜販売が，16日深夜午前0時より各地で行われた。カウントダウンの“聖地”秋葉原では，ごく一部の熱心なユーザーが駆けつけたものの，盛り上がりはイマイチ。今回はとうとう“祭り”にならなかった。

　「3，2，1，ゼロ～！Windows XPの発売です」。

　クス玉が割られ，歓声が深夜の秋葉原に鳴り響いた。カメラのフラッシュで，あたりが一瞬昼間のような明るさになる。寒空の中，じっとその時を待っていた行列が，堰を切ったように店内に吸い込まれ，次々と青や緑のパッケージを手にしていった――。

　Windows XP日本語版の深夜販売が，16日深夜午前0時より各地で行われた。カウントダウンの“聖地”秋葉原では，深夜の寒空にもかかわらず熱心なユーザーが駆けつけた。

秋葉原には熱心なユーザーが駆けつけた

　ここだけ見ると，これまで何度も見られた新OSの深夜発売の光景と変わらない。しかし，Windows 95や98の時のような“祭り”になったかというと，答えは「No」だ。

　マイクロソフトのサイトで告知された秋葉原の深夜販売実施店舗は計15店。実際にはこのほかにも，Windows XPの集客を見込んで，深夜営業を実施していたショップが何店かあった。しかし，このようなショップの期待とは裏腹に，深夜の秋葉原には祭りといえるほどのユーザーは集まらなかった。

盛り上がりに欠けた秋葉原の深夜販売

　確かに大きなショップの店頭には人だかりが見られたが，よく見ると関係者がほとんど。少し路地に入ったようなショップでは，閑古鳥が鳴いていた。「Windows 2000の時よりは盛り上がったが，思った以上に客が来なかった」（ショップ関係者）。

　Windows XPの発売と同時に「Yahoo！Cafe」2号店を開設するなど話題性十分だったラオックスデジタル館でも，午前0時の行列は10人と寂しい状況。大通りに面したサトームセンや石丸電気でも，行列はほとんどできなかった。

路地に入ったショップでは，ユーザーもまばら

　そんな秋葉原の中でも，ユーザーと報道陣を集めていたのがラオックスのザ・コンピュータ館。同店では元ワンギャルの「綺本りか」をゲストに迎え，23時から店頭でカウントダウンイベントを開始。Windowsメッセンジャーを使って同店3階のスタッフとビデオチャットを行うなど，Windows XPならではの機能を，集まったユーザーにアピールした。

秋葉原ザ・コン館に集まったユーザー

カウントダウンイベントには，元ワンギャルの「綺本りか」が登場

　ザ・コン館の1番乗りは，千葉県柏市在住の会社員の男性。「クス玉を割りたくて，夕方5時から待っていた」という。実はこの男性，Windows 2000の時も1番乗りを果たしたという根っからの「行列フリーク」。オレンジ色の山高帽にブルーのパーカーというスタイルまでWindows 2000の時と同じで，今回も見事「クス玉割り」の栄光を射止めた。

ザ・コン館の1番乗りは，Windows 2000でもクス玉を割った柏市の男性会社員

　その男性によると，真冬の発売だったWindows 2000で得た教訓は「防寒と暇つぶし」。今回は，防寒対策に座布団と厚めのジャケット，暇つぶしにワンダースワンカラーとマンガ本を用意するなど，周到な準備で臨んでいた。2000ユーザーの彼が購入したのは，Home Editionのアップグレード版。「Windows XPの安定性に期待している。ただアクティベーションは面倒そう」。

Windows XPを手に入れてご満悦の様子

　各ショップでは，Windows XP購入者に抽選で各種景品が当たるイベントを実施しているところが多かったが，中でも話題を集めていたのが，ソフマップの1等景品「豪華リムジンで自宅まで送迎してくれる権」。秋葉原1号店Chicagoでは，なかなかこの豪華景品を当てるユーザーが出なかったが，0時40分頃に千葉県市川市の男性がこの権利を獲得。市川に向かうJRの終電がちょうど秋葉原を出発した頃に，悠然とリムジンに乗って帰宅していった。

深夜の秋葉原を悠然と走る豪華リムジン

　秋葉原でのWindows XPの価格は店舗によって若干違うが，Professionalはスタンダード版が3万2000円前後，アップグレード版が2万円前後，Home Editionはスタンダード版が2万3000円前後，アップグレード版は1万2000円前後となっていた。

[西坂真人， ITmedia]

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