News:速攻レビュー 2001年11月19日 11:58 PM 更新

速攻レビュー:“G-SHOCKデジカメ”「G.BROS. GV-10」(2)

 断っておくが,GV-10は水中撮影用のカメラでは決してない。プールや海の水辺に持って行くことはできても,高い水圧に耐えるようには設計されていないのだ。ダイビングでデジカメを使いたいならば,デジカメ本体を丸ごとケースで覆ってしまう防水ハウジングというものがある。これならば,1万円台から購入でき,水深30メートルぐらいの潜水撮影が可能なモデルも多い。

 「それならば,アウトドア用としても,耐水性が高い防水ハウジングを使う方が良いのでは?」と思うかもしれない。だが,ハウジングをつけることでボディが2回りほど大きくなってしまい,重量も300グラム以上増えてしまう。また,メディアや電池交換には水の無いところで行わなければいけないなど,操作性が大きく損なわれる。GV-10の魅力は,そのコンパクトなボディに防水/防塵が施されているところだ。

普段の生活シーンで気軽に使えるデジカメ

 GV-10には,やはりアウトドアが似合う。これからの季節ならば,スキーやスノーボードに重宝するだろう。サーフィンや釣りなどは,オールシーズン楽しんでいるユーザーも多い。海に山に川にと,この全天候デジカメが活躍するシーンは多岐にわたる。

 当初は,「今回のレビューはぜひスキー場でやろう」と思っていたのだが,プロスキーヤーやプロサーファー,プロカメラマンがGV-10を体験レポートするCLUB G.BROSの方で詳細なものが掲載されるようなので,今回はそちらにまかせた。

 むしろ「さあ,アウトドアに使うんだ!」と気負わなくとも,普段の生活シーンで気軽にデジカメを使えるところに注目したい。

 例えば,子供と一緒に遊びながら,その様子をデジカメで撮影したいというケースも多いだろう。GV-10ならば,泥んこ遊びをしながら撮影する事だってできる。ガーデニング作業中に,キレイな花を撮影しようと思いついた時,イチイチ手を洗わなくとも泥だらけの手で撮影できるのだ。ペットを撮る時でも,犬にデジカメをペロペロなめられたって,このカメラなら気にならない。


GV-10なら,泥だらけにしたって気にならない


水で洗い流せば,ほらこの通りキレイになってしまう

 このような時には防水/防塵機能も大事だが,片手で持てるコンパクトなボディというのも重要なポイントだ。GV-10は,単3形電池が4本入って,100.5(幅)×74(高さ)×49(奥行き)ミリというコンパクトサイズに収めている。電源も,外出先で簡単に手に入るアルカリ電池が使用できる。

 また,メーカー保証ではないものの,耐衝撃性については「1mの高さから自由落下させても耐えるレベルを確保している」(同社)という。手が滑って落としたぐらいでは壊れないのだ。筆者は,これで過去3台ものデジカメを壊している。実にうらやましい性能だ。

 このようなオールラウンド型デジカメというのは,ありそうでない。さらに,GV-10のように小型で実売4万円前後の普及型となると,競合商品が全く見当たらないのだ。

 1世代前ともいえる有効123万画素の解像度や,光学ズーム機能がないなどスペック面で不満は残るが,防水・防塵のためのパッキングと耐ショックのためのパッケージングを,このボディサイズと価格で実現させるためには,止むを得なかったのかも知れない。

 GV-10のヒットによって「G.BROS.」がシリーズ化され,よりハイスペックなものや普及タイプなど製品ラインアップが充実していくことを期待したい。

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関連リンク
▼ カシオ
▼ GV-10製品ページ
▼ CLUB G.BROS

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[西坂真人, ITmedia]