News:速攻レビュー 2001年12月4日 11:43 AM 更新

速攻レビュー:クリエイティブの5.1chアンプ/スピーカーシステム(2)

 今回は,試聴用DVDソフトに11月8日に発売したばかりの「STAR WARS episode1」を選んでみた。ドルビーデジタル5.1chサラウンドEXをはじめ4つのオーディオトラックで収録された同作品は,迫力あるポッドレースシーンやライトセーバーでの戦闘シーン,全編に流れる壮大なオーケストラサウンドなど,ぜひサラウンドシステムで味わってみたい映画の1つだ。

 視聴してみたところ,新開発サブウーハーのおかげか,低音の表現力が目立った。例えば,STAR WARSポッドレースでは,スタート地点での低いアイドリング音や,走行中のジェットエンジンの小気味よい低音が良く表現されている。文章で表すと「パンチの効いた締まった音」といった感じだ。

 これまで,同社のサラウンドスピーカーシステムは,サブウーハーにアンプ機能を内蔵しているものだったが,今回は音質を追求しアンプを独立。木質系キャビネットを使い,重厚感ある作りとなっている。しかし,アンプ部が別になっているため,262(幅)×264(高さ)×284(奥行き)ミリで4.7キロと,サブウーハーとしてはコンパクトに仕上がっている。

 Creative SLAM(Symmetrically Loaded Acoustic Module)と呼ばれるキャビネット構造は,6.5インチのマスタードライバと8インチの振動板が装備された2室構造となっており,ノイズや共振の発生源となるポートを持たないのが特徴だ。

 このSLAM構造が,レスポンスのよい低音を鳴らすサブウーハーを作り出している。

 「爆発音や雷鳴,ドアの閉まる音など映画シーンに効果を表すほか,マシンガンの発砲音,殴り合いの音などPCゲームにおいてもリアルな表現効果を発揮する」(同社)。


SLAMと呼ばれる2室構造のキャビネット

 さて,今年8月にサウンドカード「Sound Blaster Audigy」を投入し,PC分野に本格的なデジタルオーディオの世界を拓こうとしている同社だが,今回の新製品は,基本的にはAVメーカーの競争が激しいデコーダー内蔵のサラウンドシステムというカテゴリだ。この市場には10数社ものメーカーがひしめき合い,競合する3万〜5万円の価格帯のライバルも多い。

 PC分野では名の通っている同社も,AV分野では馴染みが薄い。実際に,ある大手カメラショップではホームシアターのコーナーには見当たらず,PC周辺機器フロアの方に置いてあった。特に展示に力が入っていたのが自作機ユーザーが集うDOS/Vパーツコーナーというところに,同社の位置付けが表われている。

 さらにPC向けデジタルDIN端子を生かせるのは,AudigyやSoundBlaster Live5.1のユーザーのみだ。ただ,PCまわり全てを「Creativeブランド」にする熱心なCreativeユーザーは多いと聞く。

 スペック上だけでなく,実際の音質もAV専門メーカーの5万〜6万円クラス製品と同等以上に仕上がっているInspire 5.1 Digital 5700。Creative信者以外のユーザーにいかにアピールするかが勝負の分かれ道となるだろう。

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[西坂真人, ITmedia]