News:っぽいかもしれない 2002年2月9日 01:37 AM 更新

っぽいかもしれない:熱き「男の子」たちの闘い(1)

お台場・日本科学未来館で行われた2足歩行ロボット格闘競技大会「ROBO-ONE」。決勝戦の模様は報じたけど,その影には,スポットライトを浴びることなくひっそりと消えていったロボットたちもいたのだ。

 既にニュースでとりあげられているけど,世界最初の2足歩行ロボット格闘競技大会「ROBO-ONE」が,2月2日と3日に,日本科学未来館で開催された。2足歩行ロボットがぼかぼか殴り合うのである。しかも,ゲストとしてあの「先行者」を開発された馬先生もいらっしゃるというのだ。こんなおもしろそうなものを見逃すわけにはいかない。しっかり通い詰めてしまった。

0日め:プレスプレビュー

 大会に先がけた2月1日にはプレスプレビューがあり,趣旨説明,ルール説明,そしてデモンストレーションを見せてくれた。

 まずルールを紹介しておこう。これをおさえておかないと,このあと楽しみにくいのだ。

参加ロボット資格

  • 2足歩行ロボットであること。足の裏に車輪がついているようなのはダメ。すり足で歩くのもダメ(足を運ぶときには一度浮かさなきゃいけない)。尻尾や杖などを歩行の補助に使ってもいけない。
  • 身長は20〜120cm。
  • ロボットは完全自律でも人間による無線操縦でもかまわない。人間による操縦は必ず無線であること(電波でも赤外線でも音声でもいい),ケーブルがつながっていてはいけない。
  • 相手のケーブルを切ったり相手の操縦電波を撹乱させたりするような攻撃手法は採ってはいけない。刃物のついたロボットはレギュレーション違反。
  • ロボットの両足を囲んだ領域はロボットの外形の領域以下であること。ロボットの幅や奥行より身長のほうが高いこと。

競技

  • 予選は1分×3回のデモンストレーションのみ。審査員による採点の結果,上位16台が決勝トーナメント進出(つまり,戦う以前に歩けないやつとかがたくさん出てきそうだという予想があったわけだ。実際そうだったのだけど)。
  • 決勝は16台によるトーナメント。各機デモンストレーションのあと格闘競技試合。

試合

  • 1ラウンド1分の5ラウンド制。3ラウンド先取したほうが勝ち。ラウンド間には3分の調整時間がおける。
  • 最低2歩は歩いてからでないと,攻撃をしかけられない(待ち伏せはなし)。
  • ロボットが「ダウン」し,10カウントしてもおきられなければノックアウト。そのラウンドを失う。
  • 「ダウン」はロボットの足の裏以外がマットについた場合,もしくはリングアウトした場合。
  • 飛び道具を使うことはかまわないが,飛んだ部品がマット上に落ちたら「ダウン」である。10カウント以内に回収しなければならない。
  • 「ダウン」の回数は無制限(何度も起き上がれるロボットがあれば,それはそれですごい)。起き上がるときに手や尻尾や杖などを使うのはかまわない。

勝敗

  • 審査員がデモンストレーションと試合とのそれぞれに得点をつけた合計。得点比率は50:50。つまり審査員の評価によっては「試合に勝って勝負に負ける」こともありえるのだ。

 審査員の権限を高くしているのが特徴だ。まだ始まったばかりで,実際にどういうことになるのかがわからない状態においては,これは現実的な方法だ。たとえば,一方はぼーっと立っててほとんどなんにもしない,そこに他方が殴りかかって空振りして倒れちゃってそのままノックアウトになったとき,ほんとにぼーっとしている方を勝ちにしちゃっていいのかということ。

 今の段階でこれをありにしちゃって,消極的な戦術を採るものが増えてきたら,大会がつまらなくなる。このあたりを審査員がカバーするわけだ*1

 また,上記ルールはあくまで第1回大会のルールである。今回やってみて修正の入る部分もかなりあると思う。大会も若いしルールも若いのだ。


*1将来,技術が成熟したら,立ち会いの変化一発で勝つってのもありだと,わたしはおもう。審査員のウケは悪そうだけど。

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