News:っぽいかもしれない 2002年2月9日 01:37 AM 更新

っぽいかもしれない:熱き「男の子」たちの闘い(4)

braveheart.mpg ガンバレ……(550Kバイト)

 坂井裕さんの「Brave Heart」。制御プログラムなしに,操縦者が直接すべてのモータをコントロールするというすごいロボット。よっぽど熟練していないと操縦できない。で,やっぱり,歩くより前に転んじゃった。でも,これ,練習さえつめばなんとかなるんじゃないかって思わせるところがある。168点(20位)。

petapy.mpg 起き上がれペタピー(1.2Mバイト)

 大越信明さんの「Petaty」。ぺたぺた歩くからペタピー。重たいバッテリーを足につけるというのは重心を下げるための常套手段だ。大きなシールドは,もちろん攻撃を防ぐものだけど,前のめりに倒れたときにこれを使って起きあがるという機能もある。じつは,とにかく起き上がれるという機構がついているマシンは珍しかったのだ。378点(6位)。

mk2ir2.mpg(1.2Mバイト)

 増渕裕介さんの「MK-2IR2」。鳥の脚みたいな感じがわたしのお気に入り。この足首はただぶらさがっているだけ。モータはついていない。とてもシンプルだ。このロボットも制御プログラムは最小限に近いものしか積んでいないので,やっぱり操縦者の技量が必要になるものだそうだ。でも,かわいいけど,格闘技はあんまり強そうじゃないかも。292点(13位)。

 もうひとつお気に入り。菅原雄介さんの「A-Do(アド)」。PowerBook G4にインストールされたViaVoiceを使って音声認識で,動作コマンドを入力するのだ。「攻撃命令! 全速前進!」

 観客がたくさんいるこういうホールは,ノイズも多いし反響もすごい。音声認識にはとても悪い条件だ。とくにViaVoiceは音響環境に対してシビアだ。ちょっとでも条件が変わると認識率が下がる(実際,本戦ではうまく動かなくてキーボード入力になった)。仮にそれらがクリアされたとしたって,コマンドを音声入力してから実際に動作するまでにはタイムラグが生じる。正直言ってこういう大会には適さない方法なのだ。でも,音声認識で動かしたいという気持ちはよくわかる。オトコノコのロボットの操縦の基本だよね。これは。314点(9点)。

 根本康夫さんの「うでふり号」。まず,脚がダンボールってところでびっくりしちゃうんだけど,もっとすごいのは,この脚には駆動部がないっていうこと。両腕の先についたおもり(バッテリーがその役目をしている)を振って重心移動しながら前に進むという設計。こういうアプローチもできるんだね。ただ,この日はうまく動けなかった。残念。197点(19点)。

 Jin Satoさんの「JSRF M-1」。このお名前でピンとくる人とも多いだろう。MindStormsで有名なカナダ在住のあのJinさんである(上の写真で振っているのはカナダの国旗)。むこうには秋葉原はないから,部品は全部通販。うっかりすると禁輸品だったりする。でも,彼をもってしてもハードウェア作成で手一杯で,プログラムは飛行機の中で作ったなんていう状態。歩くことはできなかった。結果,230点で17位。16位までが予選通過だからあと一歩。おしい。

 見せてもらったのだけど,Jinさんは「JSRF M-1」のためにドキュメントをきちんと書いている。あたりまえのようだけど,ホビイストにはめずらしい。これなら今回の経験がそのままノウハウになるのだろう(見習わなくては)。次回はきっと強くなっているぞ。

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