News 2002年5月10日 10:13 PM 更新

見所をさらにチェック「2002東京おもちゃショー」

いよいよ明日から東京ビッグサイトで「2002東京おもちゃショー」が一般公開される。今回の見所を、さらに紹介しよう

 「総力を挙げて」と打ち上げたからには昨日の記事だけで打ち止めというわけにもいかない。明日からの一般公開に向けて「2002東京おもちゃショー」の見所をさらに紹介しよう。「ドムとドラえもんだけ見ればいいや」などと思い込んではいけない。おもちゃショーにはまだまだ隠れた一品があるのだ。


というわけでまず最初に見せたいのがコレ。読みにくいかもしれないがクマが持っているボードには「ダンスロボ」と書かれている……。何だか怪し気だがこのクマ型ダンスロボは実はクリスマス時期によく見かけるサンタクロースのダンスロボにクマの着ぐるみをかぶせたもの(腰を左右に振り振りするやつ)。クリスマスの時期しか使えないのはもったいないので作ってみたのだという。またブース内には「OEM対応」とかかれた案内もありクマだけでなく馬バージョンなども作ってくれるという。これもロボットブームの便乗商品?

今回のロボットは?

 相変わらずハイテク玩具(“もどき”も含めて)が全盛のおもちゃショーだが今回ちょっと気になったのはロボットがあまり目に付かなかったこと。ここ1〜2年、「プーチ」や「PINO」など、ペット型ロボット玩具や2足歩行ロボット玩具など、数多くのロボット玩具たちが登場したが、この夏から秋にかけてはバンダイが「ドム」セガトイズがペット型ロボット「夢ねこ」などを発表しているくらいで新製品として登場するロボットは少なそうだ。2足歩行ロボットやペットロボットブームは過ぎ去ってしまったのだろうか?

 とはいってもそこはおもちゃショー。なかなか興味深いロボットたちに巡り会うことができた。例えば「ロボット研究所」を設置し玩具メーカーの中では最もロボット事業に熱心に取り組んでいるバンダイは「60年代のSF少年たちに捧げる」と銘打って「サービスロボ BSR」を参考出展している(写真下:左)。

 見た目はブリキロボットのようでかなりレトロ。ぎこちない動きで一生懸命言葉を話そうとするなど当時のロボットのイメージを再現したという。専用トレイで飲み物を運んだりテレビのチャンネルを変えたり(音声で命令を出せるという)するなど実用的な機能を備えている。

 写真中央はもちろん志村けんである。明治製菓のスナック「カール」のテレビCMで踊る志村けんをロボットにしてしまったのだ。この「シムケンロボ」は独自に開発されたものではなくセガトイズのロボット「RED PEPPER」をベースにしている。RED PEPPERは音楽にあわせてダンスするロボットでシムケンロボもブレイクダンスを踊る。脱力感溢れるデザインも雰囲気が良く出ていて秀逸だ。このシムケンロボはキャンペーン用の商品のため(1500人しか手にできないレアものだ)おもちゃショーは実物を目にできるまたとないチャンスだろう。


一番左がBSR。バンダイではBSRの開発にあたりインターネット上で消費者の声を募集している。「多くの声をできるだけ反映したい」(バンダイ)とのこと。URLはhttp://Intership.jp/robot/。発売は11月を目指している

 写真右はもちろん、ゾイドである。「IRON KONG evoluzione」をデザインしたもので全身14カ所にモーターを装備し「殴る威嚇するなどのアクションを行える」(トミー)という。「ほとんどのモーターが上半身に集中しておりリアルな動きを再現する」(同)。現在、開発進行度は30%で発売も2003年末発売とだいぶ先の話なのだが価格が2万9800円に抑えられているのは嬉しい。

 「価格は家庭用ゲーム機を参考にした。リアルで精巧なロボットを作っても家庭用ゲーム以上の価値を生み出せるのかは分からない。ただゲーム機よりも高かったら売れないのでは」(同)。また「ゾイドファンにトミーはちゃんとやってるぞということを伝えたい」(同)とも。バンダイに刺激されたか。

超小型ラジコン戦争勃発!?

 コナミは9日おもちゃショーの展示会場で赤外線通信システム「MICRO IR」を採用した「デジQ」の新製品としてF1マシンをモチーフにした「デジキューフォーミュラ」を発表した(昨日の記事参照)。コナミによればMICRO IRシリーズは70万台を突破しミリオンにも届こうかというヒット商品になっている。


コナミの「デジキューフォーミュラ」。ジョーダンモデルのほかマクラーレン メルセデストヨタBARのマシンもラインアップ。ディティールまで作り込まれておりコレクターズアイテムとしても価値がありそう


コナミブースではデジキューフォーミュラ用のサーキットも用意。「デジQ史上最速」というその性能を堪能すべし! 一般公開日には来場者参加型のレースイベントも行なわれる

 一方超小型ラジコン「BIT CHAR-G」を展開するトミーは「赤外線ではリニアなコントロールは無理」とデジQに挑戦状を叩き付ける。BIT CHAR-GはチョロQライクな車体にラジコン用キットを組み込んだもの。こちらもヒット商品になっているそうだ。小型8ビットCPUを搭載しアクセルやブレーキの設定を変更できるデジQとは異なりBIT CHAR-Gは純粋なラジコンであるBIT CHAR-Gは操作性を楽しむことを重視している(モーターを交換すればクルマの性能を変更することは可能)。


BIT CHAR-Gの「頭文字D AE86」バージョン。もちろん「藤原とうふ店」のロゴ入り。ボンネットのデザインからプロジェクトD仕様と思われる。ちなみに製品には高橋兄弟の「FD3S」のボディーも入っている。左はトミーが投入する新型の超小型ラジコン(参考出品)。人気のミニカー「トミカリミテッド」をベースにしておりデザイン的な完成度は折り紙付き。トミーによれば「BIT CHAR-Gとは異なり、本格指向のマニアをターゲットにする」とのこと。うーんカッコイイ

 「BIT CHAR-Gでは車庫入れの技術を競ったりなど細やかなテクニックを競うことができる。赤外線で動かすとステアリングを切り終わってからクルマが進行方向を変えるぐらいのズレがある」(トミー)。

 熱い闘いが繰り広げられる超小型ラジコンビジネス(デジQは赤外線)だがここにセガトイズも参戦した。後追いということもあり同社がおもちゃショーの会場で披露した「パワーフォーム」は単なる超小型ラジコンではない。モーターやバッテリーを積んだコア部分が脱着式になっており車両を交換することができるというヒネリが効いている。ちなみに基本セットでは4輪自動車のほかスポーツカーやモーターボートなどが含まれるという。


セガトイズが今秋発売予定の「パワーフォーム」。モータを搭載したコアユニット部分が脱着できるのが特徴。ユニット部分は防水になっており「風呂で遊んでも大丈夫」(セガトイズ)とのこと。またコナミとデジQを共同開発しているタカラも潜水艦型「デジキュー ダイバーギア」を発売する予定だ

「ナンバーショット」はこう使え!

 昨日紹介した「ナンバーショット」だが仕組みについてあまり解説しなかったので改めてその“素晴らしさ”について語りたいと思う。

 ナンバーショットは携帯電話のメールアドレスや電話番号を交換するためのアダプタである。携帯電話の周辺機器と言えるだろう。興味深いのはその仕組み。もちろんこのデバイスに情報を記録しておいてモバイルメディアとして使う……などということはない。

 携帯電話用のサイトを介して情報をやり取りするのだ。ナンバーショットを携帯電話に装着し専用のサイトに接続する。そこで携帯電話番号やメールアドレス自己PRといったプロフィールを登録する。いったん登録をすませれば手当りしだいに誰かの携帯電話につなげるだけ。相手の携帯電話には登録したプロフィールがメールで送られるのだ。またその相手の電話番号とメールアドレスも自分の携帯にメールで届く仕組みになっている。


ナンバーショットを購入→気になった女性の携帯に差込む→携帯電話がメールで送られてくる。またナンバーショットのパンフレットには使用上の注意として「相手のプライバシーを尊重するため自分以外の携帯電話に使用する場合にはかならず相手の同意をとってください」と記されている。悪用は禁物だ。ちなみにこの携帯電話は写真の女性の私物ではないとのこと。当たり前か……

 またナンバーショットにはつなげた相手との相性が占える機能が付いている。いきなり番号交換しようと言ってナンバーショットをつなげようとするのではなくまず相性占いで軽くジャブを放っておけば流れで番号を聞き出しやすいというもの。ただこんな意見もある。

 「ナンバーショットは楽しいけど男なら小道具に頼らないで、正面から来てほしいわ」(デモンストレーションをしていた女性)。うーん。参考になりました。

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[中村琢磨, ITmedia]

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