News 2002年5月30日 11:59 PM 更新

“渋谷発、Crusoeポータルサイト”でTransmetaの目指すもの

次々と新しい文化を創出している“渋谷”にフォーカスしたメディアとして、新しいモバイル・ライフスタイルの提案を目的としたCrusoeポータルサイトをTransmetaが立ち上げようとしている

 Transmetaは5月29日の記者会見で、日本市場での展開をより強化する「ジャパン・ファースト戦略」を明らかにした。(別記事を参照

 この、ジャパン・ファースト戦略における具体的な日本独自のマーケティング活動として、「次世代のモバイル・ライフスタイル」をテーマにした“Crusoeポータルサイト”を今秋ごろ開設することが、同社ジャパンカントリーマネージャーの和田信氏から発表された。


ジャパンカントリーマネージャーの和田信氏

 「最近、モバイルPCを電車の中などで使っている人を見かけるようになったが、そのうち誰もがモバイルPCを日常的に使う日がやってくる。日本は米国と違い、携帯電話など小さな情報機器が好きな国。そしてその文化によって、モバイル機器が米国などとは違う進化を遂げている。これが、ブロードバンドやホットスポットの流れとだんだんリンクしていき、いずれ生活そのものを変えていくだろう」(和田氏)。

 和田氏は、小型で省電力、そしていつでもインターネットにアクセスできるワイヤレスコンピューティングを提供できるCrusoeこそが、このような次世代の生活スタイルのデバイスとして最適であるとアピールする。

 「富士通のLOOXやソニーのバイオU、イーヤマ販売のMusic PCなどをみても分かるように、メインストリームPCではなく、新しい提案を行うPCの中でCrusoeが使われている。もちろんPCだけでなく、インターネットアプライアンスやタブレットPC、そして東芝のフェミニティのようなネット家電にまで、当社のテクノロジーは浸透している。現在、BSデジタルなど双方向通信機能を搭載したTVにはモデムポートが装備されているが、そのうちTVの後ろにLANポートがついてくる時代も遠くはない。Crusoeは、このような生活機器のあらゆる中に入っていける可能性がある」(和田氏)。

渋谷は、次世代の生活スタイルが似合う場所

 そして、同社が“次世代の生活スタイルが似合う場所”として選んだのが、流行・トレンドの発信基地「渋谷」。次々と新しい文化を創出しているこの街にフォーカスしたメディアとして、新しいモバイル・ライフスタイルの提案を目的としたCrusoeポータルサイト「Crusoe Mobile Wonder Web」(仮称)を立ち上げようというのだ。

 このポータルサイトでは、渋谷地区唯一のデジタルケーブルテレビ局であるシブヤテレビジョンとタイアップして、渋谷の情報を動画配信する「渋谷テレビジョンコンテンツ」や、Webカメラで渋谷の街角映像を配信する「渋谷街角ビュー」、オフライン用コンテンツ、Crusoeコンテンツなどを提供していく。

 「例えば、バイオUでワイヤレスでポータルサイトにアクセスして、渋谷の街中でグルメ情報を検索したり、何かイベントはないかチェックしたりというのもCrusoeらしい」(和田氏)。

 なぜ、渋谷なのだろうか。その理由について和田氏は、「渋谷はここ30年ぐらいで新しい文化、新しいライフスタイルがスタートした場所。もう1つが、ビットバレーと呼ばれ新しいITの起業家が集まる場所でもある。そして、渋谷に集まってくる人たちは、自分たちで新しい文化を作っていこうとしている。だから渋谷を選んだ」と語る。

 「コードモーフィング」というこれまでにない技術で、PC業界に“新しいカルチャー”を創出した同社。同じように新しい文化を生み出している街“渋谷”とのコラボレーションは、意外とうまくいくのか、それとも……。

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[西坂真人, ITmedia]

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