News | 2002年6月3日 09:22 PM 更新 |
ソニーは6月3日、都内で行われたメモリースティックフォーラムの中で、メモリースティックの新規格「メモリースティックDuo」を今年7月から発売することを明らかにした。
メモリースティックDuoは、小型機器向けに開発されたリムーバブルメディアで、2000年4月に発表された。20(幅)×31(奥行き)×1.6(厚さ)ミリで重さは約2グラムと、従来のメモリースティックに比べて約半分の超小型サイズが特徴。アダプタを使うことで、従来のメモリースティックと互換性を保つ。
同社から7月に発売されるメディアは、Duoとメモリースティックアダプタがセットになったパッケージで販売される。発売当初は16Mバイトタイプが用意され、順次容量ラインアップを広げていく予定。正式な価格は未定だが、「同容量のメモリースティックの価格にアダプタ分を追加した程度。アダプタも単なるサイズ変更用で、制御回路が入っているタイプではないので、それほど高価にはならない」(同社)という。当面は国内販売のみで、海外への展開は現時点では未定となっている。
同社メモリースティック事業部長の矢永雅治氏は「Duoは、SDメモリーカードと比べても容量比で62%と小型で、一番小さなメディアとなるMMCと比べても92%。特にコネクタを含めた実装面積が小さいのは携帯電話向きといえる。また、小型化が進んでいるデジカメにも有効なメディア。現在のメモリースティックのマーケットシェアは、デジカメに依存している部分が大きい。しかし、より小さなDuoが出ることによって携帯電話にもメモリースティックが広がっていく」と語る。
矢永氏はフォーラムの中で、メモリースティックの容量変遷を示したロードマップを紹介。メモリースティックは、2004年には2Gバイト、2004年には4Gバイトの大容量タイプが登場予定だが、ロードマップによると、Duoは2003年中に256〜512Mバイトが用意され、2004年には1Gバイトの容量を達成するとしている。
「メモリースティックの半分というサイズのDuoは、基本的にメモリースティックの半分の容量が可能となる。4Gバイトが実現する2005年には、1Gバイト以上の容量も技術的には可能となるだろうが、本当にそのような容量が必要かも含めて、Duoの大容量化は検討していきたい」(矢永氏)。
「最近はカメラ付き携帯電話が人気となっているが、カメラが付くと画像を保存しておくためのメディアを作らなくてはいけない。我々は1年以上も前からDuoの開発表明を行っていたが、(今回、Duo対応端末が出ることで)ようやく発売に至った。メモリースティックは現在、246もの企業が賛同しており、50カテゴリ/300種類以上の製品が市場にある。ソニー以外からのメーカーからも、25カテゴリ/100種類以上の製品が出ており、デジカメだけでなく、PCやオーディオ、カーAVなどへメモリースティックの世界が広がっている。現在、小型メモリー市場はデジカメ向けが中心となっているが、Duoの登場によって、携帯電話にもメモリースティックが広がっていくだろう」(矢永氏)。
メモリースティックDuo採用の第1弾はiショット対応端末
さらに、同社の安藤国威社長からは「詳しくは言えないが、NTTドコモが熱心に取り組んでいるカメラ付きケータイ“iショット端末”でDuoが採用されることになった。対応端末は7月頃登場する予定。(NTTドコモの携帯電話採用されるようになると)弾みがついて、そこらじゅうの機器が全てメモリースティック対応になってくる可能性がでてきた」と、Duoを採用した第1弾製品がiショット対応の携帯電話で登場することが明らかにされた。
Duoに対応したiショット端末の詳細については「NTTドコモが発表することなので、我々が話すことはないが、第1弾はソニーエリクソン製ではなく、メモリースティック賛同メーカーのどこかから発売される」(同社)とのこと。ただし、今回のNTTドコモ端末へのDuo採用は同社からNTTドコモへ働きかけたものではなく、また、iショット端末に今後Duoが標準搭載されるというわけではないという。
「Duoとiショットとの関係は、あくまでも賛同メーカーの1社とNTTドコモとの話し合いの中のもの。我々は、Duo対応端末が出るという情報に基づき、7月からDuoメディアをリテール向けに展開するというだけ。ただ、Duoが(iショット端末に)標準搭載になればいいとは思っている」(同社)。
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[西坂真人, ITmedia]
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