News 2002年6月3日 10:35 PM 更新

「ギコ猫」騒動、タカラが軽率だったこと

「ギコ猫」をめぐり、タカラがネットユーザーの批判にさらされた。タカラは「軽率だった」として、商標登録出願を取り下げるなど素早い対応を見せたのは……

 本当は、「ギコ猫は誰のモノ?」という原稿を書こうと思っていたのだが、タカラが俊敏な動きで批判をかわしたこともあり、ちょっと視点を変えて、なぜ、タカラはギコ猫の商品化を計画したのか考えてみることにした。

 タカラがギコ猫の商標登録を申請したのが、今年3月のこと。ネット上では、先週末に騒ぎになったと思ったら、週明けの月曜日、タカラは出願を取り下げるとともに「2ちゃんねるユーザーにお詫びしたい」との声明を出した(別記事参照)。

 タカラ広報が、「出願は軽率だった」と述べていることから、同社がギコ猫がどのような存在なのか知っていたのは間違いない。「リーガル的に問題はないと考えた」というコメントからも、ギコ猫についていろいろ調べたことが伺える。

 そして、タカラは「著作権の存在しない人気キャラクター」をビジネスチャンスだとひらめき、商標登録を出願したのだろう。その結果、ギコ猫を1人占めしようとしたことについて、2ちゃんねらーたちからの猛反発を喰ったわけでである。

 タカラの「軽率」という言葉には、ネットで誕生した著作権者の分からないキャラクターならば問題がないと考えた自らの判断と、2ちゃんねらーの“影響力”を過小評価していたことへの反省が込められているのだろう。

 ただ、今回のギコ猫騒動を、単純に「企業対ネットユーザー」という構図で捉えることには、ためらいを感じてしまう。もともとタカラには、2ちゃんねらーと対立するつもりなどなかったような気がするからだ。

 キャラクターモノは、何がブレイクするか読めないところがある。だが、「ギコ猫」という名称で商品化した場合、一般的にはマイナーなキャラクターだけに、それほど大きなマーケットにはなるとは思えない(女子高生が、「Д」の口がカワイイと騒ぐかもしれないが)。

 だが、今回の一件でも分かるように、2ちゃんねるの利用者は、ギコ猫に特別な思い入れがある。タカラはそこを利用して、話題を広げていこうとしたのではないだろうか。むしろ、商品化すれば批判ではなく、好意的に受け入れられると思っていたかもしれない。

 ところが、当てが大きく外れて、その大事な“お客さま”から、抗議のメールが殺到すれば……商品化を断念するのは当たり前だ。あれほど素早い対応も、こう考えると納得がいく。

 確かに、タカラは軽率だった。ギコ猫を商品化するという大胆な発想は、さすが玩具メーカーというべきだが、もう少し、上手いやり方があったように思える。ひろゆき氏を「ギコ猫商品化プロジェクト」のスーパーバイザーに迎えるとか……。

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[中村琢磨, ITmedia]

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