News 2002年8月12日 06:30 PM 更新

「転んでも起き上がれます」――ハイレベルなROBO-ONE決勝(1/2)

2足歩行ロボットによる格闘競技大会「ROBO-ONE」。第2回大会の決勝戦では、倒れた状態から起き上がれるロボットや、両手を広げた片足バランスで「命っ!」のポーズを決める巨大ロボットが出場するなど、ハイレベルな争いとなった

 2足歩行ロボットによる格闘競技大会「ROBO-ONE」。8月11日には、前日の予選を勝ち抜いたロボットたちによる“ROBO-ONE王座”をかけた決勝戦が行われた。


ROBO-ONE決勝戦の会場も、予選と同じ川崎産業振興会館で行われた

 決勝戦には、予選のデモンストレーションを高得点でクリアした16台が進出した。3歩以上の歩行と、歩行時に片足が地面から完全に離れていること、そして屈伸運動がレギュレーションで定められているため、予選通過ロボットは皆、ASIMOやSDR-4Xも顔負けの機敏な動きをみせる強者揃いだ。


決勝に進出した強者揃いのロボットたち

 決勝戦は、対戦する2台のロボットがリング上でデモンストレーションと格闘競技を行い、勝敗はデモンストレーションの得点と試合の得点を総合して決定する。得点比率は1対1となっているため、たとえデモンストレーションとはいえ気は抜けない。参加者は歩行や屈伸運動といった規定動作に加え、オリジナルのパフォーマンスを盛り込んで出場ロボットの特徴や技術を披露し、場内を沸かせていた。

 中でも目立ったのが、中村素弘氏の「HSWR-01」だ。全長30センチ前後のロボットが多い中で、70センチほどの巨体を機敏に動かし、歩行や屈伸を難なくこなすさまは圧巻。攻撃の時はグッと腰を入れてパンチを繰り出したかと思ったら、ふわふわしたビーチボールをキャッチする繊細さも身につけている。片足のバランス姿勢では、両手を広げて「命っ!」のポーズを決めて、会場からの歓声を浴びていた。


ビーチボールをキャッチする繊細さも


ゴルゴ松本顔負けの「命っ!」のポーズ

 今回のROBO-ONEで特筆すべきは、倒れた状態から起き上がれるロボットが数台出てきたことだ。人の手を借りずにロボット自身で起き上がることができれば、相手に倒されてもダウンを取られないため試合を有利に展開できる。転んでも起き上がれるというのは、家庭内にロボットが入っていく上で重要なポイントとなる技術。あのソニー製ロボットでさえ最近になってやっと起き上がれるようになったことからも分かるように、ある意味、歩行よりも難しいといわれる動作だ。たとえ何度ダウンされても、不死鳥のように立ち上がってくる“矢吹ジョー的”機構をもったロボットの方が、審査員や観客の受けもいい。

 その起き上がれるロボット同士がぶつかったのが、準決勝第1試合だ。

[西坂真人, ITmedia]

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