News | 2002年8月29日 10:22 PM 更新 |
日本のソフトウェア産業と積極的に交流を図っている中国・大連市。ソフトウェア産業が盛んな大連市には、松下通信工業や三菱情報システム、アルパイン、ジャストシステムなど、多くの国内大手メーカーが生産/研究開発の拠点を構えている。8月29日には、米TurbolinuxからLinux事業を買収したSRAが、大連市とソフトウェア開発、投資、人材教育の分野で協力協定を締結することで合意した。SRAは、「大連市のソフトウェア開発関連事業を全面的に支援する」(渡邊肇取締役)。
SRAとの調印のために日本を訪れている大連市情報産業局の楊白新副局長は、大連市のソフトウェア産業について、「1999年以来、ソフトウェア産業の売上高は年間50%以上の成長率で伸び続けている。2002年の売上規模は23億元(約327億7500万円)に達する見込みだ」と説明。さらに、「最近は、日本向けソフトウェアの開発を専門的に行っている企業が増加している。年間輸出高の80%が日本市場向けだ。地理的にも、日本に近く、気候も日本に似ている」(楊氏)と日本との結びつきを強調した。
SRAの渡邊氏は、今回の提携に関して、「SRAとしては、大連には日本語が堪能な人も多いが、日本語学校を建てるなどして、日本語水準をコールセンターを誘致できるくらいのレベルにしたい。そうなれば、日本企業に優秀な人材を紹介できるようにもなる。また、人件費の面でも、(大連は)上海や北京よりも安くすむ」(同氏)と話す。具体的な計画はまだ決まっていないが、渡邊氏が会長を務めるTurbolinuxの中国現地法人と大連市の協業なども構想にはあるようだ。
なお、SRAによれば、今回の契約は大連市側から持ちかけられたもの。SRAと大連市との契約は独占的なものではなく、大連市は、さらに日本企業を誘致するために、ほかの国内大手SIベンダーにも働きかけているという。
[中村琢磨, ITmedia]
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