News 2002年9月12日 08:25 PM 更新

1人でハモれます――MP3で多重録音できるヤマハのサウンドスケッチャー

ヤマハが、簡単操作で手軽に音楽作りが楽しめるMP3ミキシングレコーダー「サウンドスケッチャー」を発表した。歌声や音楽、楽器音などをMP3形式で多重録音できる。Web上でアイデアを募るなど、製品開発にはユーザーの声が反映されている

 ヤマハは9月12日、簡単操作で手軽に音楽作りが楽しめるMP3ミキシングレコーダー「サウンドスケッチャー SH-01」を発表した。11月1日から発売する。同社のサウンドスケッチャー専用サイト(http://www.mp3rec.com/)の限定販売となり、10月1日から同サイトにて予約受付を開始する。同サイトでの直販価格は3万9800円。


MP3ミキシングレコーダー「サウンドスケッチャー SH-01」

 サウンドスケッチャーは、歌声や音楽、楽器音といったサウンドをMP3形式のデジタル録音で重ね録りできるポータブルタイプのミキシングレコーダー。さまざまなサウンドを次々と重ねて録音することで、マルチトラック録音のような楽しみ方ができるという。楽器を弾けなくても心配ない。例えば、ボーカル/コーラス/パーカッション/ベース/ドラムといった各パートをアカペラで次々と録音していけば「1人ゴスペラーズ」もできてしまうのだ。

 200(幅)×133(奥行)×34(厚さ)ミリのコンパクトボディには、「REC(録音)」「PAUSE(一時停止)」など“ラジカセライク”なボタンが並ぶ。多重録音は「MIX」ボタンを押すだけでスタートする簡単操作で、中央に2つあるスライドボリュームを使ってミキシングの音量バランスをとることができる。直前のミックス録音を取り消せる「UNDO」ボタンによって、納得のいくまで何度でもやり直しができるのは初心者ユーザーならずとも便利な機能だ。本体にはステレオスピーカーを内蔵しているので、作成したサウンドをその場でチェックできる。


コンパクトボディに“ラジカセライク”なボタンが並ぶ

 サウンドの入力は、本体内蔵のステレオマイクのほかにエレクトリックギターや外部ダイナミックマイクが接続できるINST端子や管楽器の録音に適したピックアップマイク端子を用意。また、CDやMDをソースに使えるLINE IN端子も備えた。リバーブ/コーラス/ディレイなど計64種類のエフェクトを内蔵しており、入力したサウンドを好みの音色に変更して録音することもできるほか、アドオン機能によりエフェクトデータを後から追加することも可能だ。

 本体にUSB端子を備えており、付属の専用PCソフト「データファイラー」を使って、USB経由でPCと接続が可能。サウンドスケッチャーで作成した音楽データをPCで管理したり、PC上のサウンドファイルをサウンドスケッチャーで利用したりすることができる。また、外部記憶媒体としてスマートメディアを採用しており、作成した音楽データをスマートメディアに記録して持ち歩くことも可能だ。


本体側面にスマートメディアスロットを搭載

製品開発にはユーザーの声を反映

 サウンドスケッチャーは、同社音楽ポータルサイト「MUSIC-eCLUB」内に開設したユーザー参加型の製品開発コーナー「企画室」の第1弾商品として企画されていたものだ。MP3レコーダーという製品テーマで、仕様や使い方のアイデアを一般ユーザーから広く募集。6月中旬から2カ月間で、約160件のアイデアが寄せられたという。

 事業開発本部商品プロデュース促進プロジェクトリーダーの笠原芳樹氏は「音楽好きが集まってできた商品。音楽制作では一般的な“トラック”という概念を捨てて、重ね録りによるシンプル操作を採用したのがポイント」と新製品を紹介する。

 サウンドスケッチャー開発の中心人物である商品プロデュース促進プロジェクト主事の平出誠治氏は、「作成した音楽データは、電子メールに添付することもできる。送られてきたデータに音や歌声を重ねて送り返すといったやり取りをすることで、ネットを介して音楽のコラボレーションもできる」と、インターネットを活用した新たな音楽の楽しみをアピールする。

 本日付けでスタートしたサウンドスケッチャー専用サイトでは、新しいエフェクトのダウンロードサービスや、MP3再生・編集ソフトのダウンロードも検討しているという。「さらに、アフィリエート(販売紹介手数料制度)の展開も考えており、将来的には、サイトを持っているユーザーならばだれでもサウンドスケッチャーを売ってもらえるようなシステムを作りたい」(平出氏)。

 発表会場では、同社のインタネットカラオケサービス「パソカラホーダイ」のイメージキャラクタで、シンガーソングライターの小野ゆかりさんがゲストとして登場。初心者ユーザーでも簡単に操作できるというサウンドスケッチャーのセールスポイントを、寸劇スタイルで紹介した。


シンガーソングライターの小野ゆかりさんがゲストとして登場

 最初は「機械は全然苦手。こんな私が紹介してもいいのですか?」といっていた小野さんだが、さまざまなパートを歌って録音していくだけの簡単操作で歌のミキシングができると、「すごい、便利!」とサウンドスケッチャーを気に入った様子。最後には、自らが熱唱した「亜麻色の髪の乙女」にピアノやギター、パーカッションの音をミキシングした曲データを聴いて、ご満悦の表情だった。


サウンドスケッチャーを手に「機械オンチの私でもできました」

 サウンドスケッチャーの主な仕様は以下の通り。

製品名サウンドスケッチャー
型番SH-01
再生/録音ファイル形式MP3、WAV(ミックス録音はMP3のみ)
サンプリング周波数44.1KHz(16ビット)
MP3レート64−192Kbps
周波数特性20Hz−20KHz
S/N比80デシベル
インタフェースINST.端子、LINE IN端子、LINE OUT/PHONE端子、MIC端子、USB端子
エフェクト64種類(8カテゴリ×8タイプ)
メモリカードスマートメディア(3.3ボルト)
電源単3形アルカリ乾電池×6もしくはAC電源アダプタ
バッテリ動作時間約2時間(MP3再生時)、約1.5時間(MP3録音時)
サイズ200(幅)×133(奥行き)×34(高さ)ミリ
重さ450グラム(乾電池を除く)
実売価格3万9800円(専用サイトhttp://www.mp3rec.com/の直販価格)
発売日11月1日

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[西坂真人, ITmedia]

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