News 2002年9月24日 10:08 PM 更新

DVD-R4倍速/DVD-RW2倍速――高速記録に対応したパイオニア「DVR-A05-J」

パイオニアが、DVD-Rへの4倍速書き込み/DVD-RWへの2倍速書き込みに対応したATAPI内蔵型DVD-R/RWドライブ「DVR-A05-J」を発表した。ピックアップ機構からシャーシまで、すべて新たに設計された新世代モデルとなる

 パイオニアは9月24日、ATAPI内蔵型DVD-R/RWドライブ「DVR-A05-J」を10月下旬に発売すると発表した。DVD-Rへの4倍速書き込み、DVD-RWへの2倍速書き込みに対応した。価格はオープンだが、実売予想価格は4万円前後になる見込み。


ATAPI内蔵型DVD-R/RWドライブ「DVR-A05-J」

DVD-R4倍速/DVD-RW2倍速を実現したDVR-A05-J

 DVR-A05-Jは、今年4月に発売したDVR-A04-Jの後継機。ピックアップ機構からシャーシまで、すべて新たに設計された新世代モデルとなる。

 最大の特徴は、DVD-Rへの4倍速書き込み、DVD-RWへの2倍速書き込みを可能にした点。DVR-A04-JのDVD書き込み速度が、DVD-Rで2倍速、DVD-RWで1倍速だったので、従来機に比べて2倍のスピードになった。このような高速記録を可能にした新技術の1つが、新しいチルトサーボシステム「液晶チルト機構」だ。

 DVDのディスクの反りや厚みのバラツキによって発生する書込み/読取性能の低下に対して、同社の車載ピックアップで実績のある液晶収差補正素子を記録用DVDドライブに初めて採用。ピックアップに搭載した液晶の位相を制御してチルト補正に最適化したパターンで分割し、チルト角に応じて液晶を個別に駆動することでディスクチルト時に発生する波面収差を補い、精度を向上させている。「高速化だけでなく、ユニットの小型化や高信頼性にもつながる」(同社)という同社独自のテクノロジーだ。


液晶収差補正素子によって信頼性のある書き込みを可能にした「液晶チルト機構」

 そのほかDVR-A05-Jには、ディスク高速回転時の振動や騒音を最大で1/3に低減する「DRA(Dynamic Response Absorber)」システムを新たに搭載したほか、従来は本体基板上に搭載されていた記録回路を光ピックアップ上に搭載することで記録時の信号精度を大幅に向上させる「スマートレーザードライバ技術」を採用。LSIの高集積化や低消費電力タイプのスピンドルモータの採用など熱対策の見直しにより、冷却ファンを使わないファンレス構造を実現した。また「ブラックトレー」を採用するなど“こだわり機構/仕様”が盛り込まれている。


ディスク高速回転時の振動や騒音を低減する「DRA(Dynamic Response Absorber)」システム

基本性能も強化

 DVR-A05-Jは、1ドライブでDVD-R/RWとCD-R/RWの書き込みが行え、4.7GBのDVD-R(For General Ver.2.0)及びRW(同Ver.1.1)ディスクへの記録・再生が可能。DVD-RとCD-Rの両方にバッファーアンダーラン防止機能を備える。

 DVD-R/RWの書き込み速度以外に前モデル(DVR-A04-J)から強化された機能として、CD-Rの書き込みが16倍速に、CD-RWの書き込みが8倍速に対応したほか、DVD-ROMの読み出しが最大6倍速から最大12倍速に、CD-ROMの読み出しも従来の最大24倍速から最大32倍速にそれぞれスピードアップした。

DVD作成を手軽に楽しめる各種ソフトを同梱

 同梱ソフトは、オリジナルDVDビデオの作成が行えるDVDオーサリングソフト「DVDit!SE」「MyDVD」「ShowBiz」、CD/DVDライティングソフト「インスタントCD+DVD LE」「Drag’n Drop CD Plus DVD Edition」、DVDビデオ再生ソフト「Power DVD XP」の6製品。インスタントCD+DVDでは、ディスクフォーマットが約1分で終了する「クイックフォーマット」や、ファイナライズの逆の機能でDVD-RWディスクを記録途中の状態に戻すことができる「QuickGrow」にも対応した。

 また、DVR-A05-Jの発売に合わせて、高速書き込み対応のDVDメディアを10月下旬から発売する。4倍速対応DVD-Rメディア「DVS-RP470A」(単体)/同「DVS-RP470AP5」(5枚セット)と、2倍速対応DVD-RWメディア「DVS-RWP470A 」(単体)/同「DVS-RWP470AP5」(5枚セット)があり、すべてオープンプライスとなる。

 なお、前モデル(DVR-A03-J、DVR-A04-J、DVR-S303)で、4倍速対応DVD-Rディスクおよび2倍速対応DVD-RWディスクを使う場合には、事前にファームウェアのバージョンアップが必要となる(詳細は同社ホームページへ)。

 DVR-A05-Jの主な仕様は以下の通り。

モデル名DVR-A05-J
形式内蔵型
インタフェースATAPI(ATA/ATAPI-5)Ultra DMA Mode2
データバッファメモリ2Mバイト
書き込み/読み出し速度DVD記録:最大4倍(DVD-R)最大2倍(DVD-RW)、DVD再生:最大12倍速、CD記録:最大16倍速(CD-R)/最大8倍速(CD-RW)、CD再生:最大32倍速
ローディング方式トレーローディング(ブラックトレー)
対応OSWindows XP/2000/Me/98SE
サイズ148(幅)×42.3(高さ)×198(奥行き)ミリ
重さ1.1キロ
実売予想価格4万円前後
発売時期10月下旬

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[西坂真人, ITmedia]

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