News:ニュース速報 | 2002年10月29日 03:24 PM 更新 |
日本ビクターとビクターエンタテインメントは10月29日、CDやDVD Audioなどのデジタルオーディオディスクの音質向上を図る新技術「エンコードK2」(ENC K2)を開発したと発表した。コピー防止CD(CCCD)でも「オリジナルマスターに限りなく近い高音質を実現できる」という。
新技術は、オリジナルマスターからCDフォーマットへのエンコード過程で音質劣化要因を除去して高音質化する。デジタルオーディオは符号が変化しない限り理論的には音質は変化しないが、実際には伝送過程での符号外成分(リップル、ジッター)の存在によって音質が変化する。またCCCDはPCでのリッピングを防ぐ目的で特殊な信号が含まれるため、現在販売されているCCCDは音質の悪化が指摘されている。
ENC K2では、符号外成分を含むデジタル信号から、理論上の「1」「0」のみを瞬時に読み取った上で新たなデジタル信号を生成することで音質劣化要因を除去する。既に確立していた「K2テクノロジー」をベースに、新たにEFM信号(Eight to Fourteen Moduration、CD用の変調方式)に対応させ、CDフォーマットへのエンコーダプロセスに組み込んだ。
ビクターはマスターテープ再生時の音質変化を除去する「Digital K2」、ガラス原盤作成時にレーザーカッティングの精度・純度を高める「K2レーザーカッティング」(K2 LC)を導入している。ENC K2の開発で、CD制作のカッティング工程で一貫して音質劣化要因を取り除く「Full Code Transfer System」を確立。「すべてのCDをオリジナルマスターと同等の音質に再現するマスターダイレクト構想を実現した」としている。
ビクターエンタテインメントは11月13日に発売するCCCDに新技術を採用。「オリジナルマスターに限りなく近い音質を実現した証」としてオリジナルロゴを表示する。コピー防止技術はイスラエルMidbarの「CDS-200」を採用している。
[ITmedia]
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