News 2002年11月21日 09:44 AM 更新

オフィスの新しい一員になる「OneNote」(1/2)

MicrosoftがOfficeファミリーの新しい一員に加える「OneNote」。その製品概要の説明があったのでレポートしよう

 COMDEX/Fall 2002の基調講演でMicrosoftのBill Gates氏が、新しいOfficeファミリーの一員、「OneNote」を発表した。OneNoteは紙にメモを取るのと同じように、自由な場所に自由にレイアウトしていく、メモ取り(Note Taking)専用ツールだ。Microsoftはこの発表を受けて、プレス向けに製品説明会をCOMDEX/Fall近くの会場で開催した。

 担当者によると、OneNoteはOfficeファミリーの一員ではあるが、WordやExcelといったコアとなるアプリケーションではなく、PublisherやFrontPageなどと同様に標準的なOfficeパッケージとは別にラインアップされる製品となる予定。ただし次世代Officeのパッケージ構成はまだ決まっていないため、最終的にどのような形(単体パッケージのみなのか、一部のパッケージに添付されるのか)は決定していない。

 OneNoteは、さまざまな場面で自由にメモを取るために開発された。Microsoftによると、日常的にメモ取りを行う米国成人は91%。ほぼすべてのユーザーが、何らかの形でメモを取っている。さらに作成したメモを再利用するため、ノートに記録したメモの中から探すために25%の時間を費やしている。またメモを仕事に活用している人の25%は、メモを取った場所を忘れてしまう経験をしている。さらにメモ取りを仕事で行う人の77%はメモを後でワープロに転記、26%は電子メールへ転記するなどの再利用を行っている。

 つまり、メモ取りは仕事を遂行する上で必要不可欠な、ごく当たり前の行為だが、これまではメモ取りを効率的に行うツールがなかった。もちろん、紙とペンに勝るメモ取りツールはない、という意見もあるだろうが、紙とペンの利用実態を調査してみると、その効率はあまり良くないということだ。

 なるほど、ノートにメモを取るという単純な作業を専門に行うためのツールは、確かに見かけたことがない。付箋紙をエミュレートするユーティリティは一般的に使われているが、現実社会でも付箋紙とノートが別の使い方であるように、PC上でもそれは同じ。ノートにメモを取る行為を電子化できれば、どれだけ効率化が図れるか、は、興味深いテーマではある。

 では実際にOneNoteでは、それらのニーズをどのようにプログラムとして実装されているのだろうか?

  • ファイルの概念がない

 自由にファイルにメモを取る形であるため、OneNoteには文書ファイルを作成するという概念がない。OneNoteで管理されるノートに何らかの情報を書き込むと、バックグラウンドで常にデータが保存される。ユーザーはノートのページを追加したり、タブを付けて分類したりするだけで、1つのノートをハードディスク容量が許す限りに活用できる。

  • 自由レイアウト

 メモを書き込む場所はノート上の好みの位置でいい。ノートにメモを書き込んでいくとき、われわれはメモのテーマごとに場所をずらしてみたり、対案を対角線上に配置してみたりと、さまざまな「自分ルール」の中でレイアウトしているが、OneNoteではこれと同様のことをキーボードからのテキスト入力でも可能する(もちろん、TabletPCなら、手書きでいつでも好きな場所に書き込める)。

 例えば書き込みたい場所をクリックしてタイピングすれば、その場所からテキストが入力され、改行すると最初にクリックしてタイピングを開始した直下の位置にカーソルが移動する。


OneNoteは自由な位置にテキストを入力可能

  • 構造化されたメモを簡単に取れる

 オートフォーマットで番号を振ることも可能で、複数行を選択して後から個条書きの形式を選択するといったWordのフォーマッティング機能を利用できる。内部的にはWordのアウトライン機能と同様、階層化されている。

[本田雅一, ITmedia]

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