News 2002年11月29日 10:50 PM 更新

CD-Rの「音」を考える
1枚8000円のCD-Rメディアは何が違う?(1/3)

高音質な音楽CDの作成に重要なのが、高品質なメディア。1枚8000円という品質も値段も高い業務用CD-Rメディアを開発、プロユーザーからも高い評価を得ているリコーに、フツーのCD-Rと何が違うのか、その秘密を尋ねてみた

 「どんなメディアなら音がいいのか」――個人が高品位な“音”を記録しようとする時、避けては通れない話題だ。これは、カセットテープが録音用メディアの主流だったころから何も変わっていない。カセットテープのメディアには、ノーマル、ハイポジション、メタルといった種類があり、それぞれ、録音された音が違っていた。

 もちろん、それは、CD-Rでも同じ。高音質な音楽CDを作成するためには、高品質なメディアが重要になる。そこで、1枚8000円という超高価(高品位なのは当たり前として)な業務用CD-Rメディア「NY74+MA」を開発し、プロユーザーから高い評価を得ているリコーに、高品質なメディアはどこに秘密があるのかを尋ねてみた。

「CDはデジタルだけどメディアによって音が変わるんです」

 「われわれは当初、(CDは)デジタルだから音は変わらないはずだという“信念”があったんですが、実際、聞いてみると(音が違うことを)認めざるを得なかった……」。

 笑いながらこう話してくれたのは、リコー、パーソナルメディアカンパニーMMP事業部の相原謙一氏(PM室 企画グループ ハイブリッドディスクプロダクトマネージャー)だ。

 同様にNY74+MAの開発を担当した同社パーソナルメディアカンパニーMMP事業部 八代徹氏(SD開発室 設計2グループ リーダー)も「音がCD-Rで変わるとは思っていませんでした。いろんなスタジオを訪問させていただいたりして、確かに音が違うということに気づきました」と話す。


NY74+MAの開発を担当したリコーの相原謙一氏(左)と八代徹氏

 CD-Rが登場した時から常に話題になり、そして議論を繰り返されてきたことがある。それが、市販の音楽CDからCD-Rに複製したときに音が“変わる”かどうかだ。もちろん、これには、2つの意見があった。1つは「デジタルだから音は変わらないはずだ」という人。もう1つは、当然その逆の「音は変わる」という人である。結果は、今では多くの方が知っているように、音は“変わる”が正しい。

 面白いのは、1枚8000円という超高価な業務用CD-Rメディア「NY74+MA」を開発したリコーでも同様の議論があったということだ。しかも、実際に開発に従事していた方は、変わらないほうに“信念”まで持っていたのだという。


1枚8000円の超高価プロ用CD-Rメディア「NY74+MA」

 CD-Rはデジタルなのに音が変わってしまう。では、どうすると音質が向上するのだろうか。相原氏は、八代氏と1つの仮説を立てたという。「(CDは)デジタルはデジタルで変わらないのですが、アナログになるところが重要。つまり、アナログ系の負荷をいかに減らすのがポイントの1つかなと……」。

 これは、CDがデジタルだといっても“アナログ”的な部分から来るものが、音質に多大な影響を与えるからだ。例えば、信号は、レーザー光という「光の目」を使い、反射率の違い、つまり、光の強弱という“アナログ的”な信号検知の方式で読み出す。ピックアップは読み出した信号を検知し、必ず一定期間内に反射率の変動が起きるということを前提として信号を読み出している。これがCDの動作原理だ。

 「実際に再生している環境の中では、バイブレーション(振動)が発生しているわけですが、それにあわせてピックアップも動くわけです。そういった部分をいかに少なくするか、つまり、ピックアップの挙動をいかに少なくするかという点を、考え方の根本に置いています」(相原氏)。

 では、具体的に高音質を実現するためにNY74+MAでどのようなチューニングが施されたのだろうか?

[北川達也, ITmedia]

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