News 2003年1月7日 06:50 PM 更新

Bluetooth GPSレシーバ、“日本”への旅(1/3)

小型のBluetooth GPSレシーバを、日本向けにローカライズしたNet Stumblerで使う――昨年末来、筆者はこんな“プロジェクト”に一人取り組んでいる。なぜこんなことになったのか、コトの発端は……

 おそらく、相手は軽い気持ちだったのだろう。だが、それが重大な結果を生むこともある。

 そもそもの事の発端は、昨年11月のCOMDEX取材に遡る。日本からあれこれとメールで指示を送ってくるNewsのN編集長に「(米ZDNet発の)この記事で紹介されてる製品の写真を撮って解説してよ」と言われたのがきっかけだった。

展示ブースなんてなかった

 記事を見ると、「Bluetooth GPS Receiver」とある。筆者も、ことGPSに関しては玄人を自負している。となれば、分かりませんとは口が裂けても言えない。出展ブースが減ったとはいえ、それでも広大なLVCC(Las Vegas Convention Center)のNorth HallとCentral Hallを探し回った。

 しかし、発売元の米Socket Communications社のブースなどそもそも存在しない。それどころか、どんなに探しても、それを展示しているブースなどなかった。

 結局のところ、元ネタは、ニュースリリースをベースに、予想で書いただけのものだったようだ。あるいは予定されていた出展が取りやめになったのか、そのあたりの詳しい事情は分からない。いずれにせよ、Socket Communications側のサイトなどで、COMDEXやその周辺会場で製品を展示したといったリリースは一切なく、展示がなかったことだけは間違いないだろう。

 だが、話はそれで終わらなかった。

即売ブースで、自腹購入

 翌日、やはり新製品発表はすれど、展示はしていなかったDell Computer社のPocket PC「Axim X5」を探していた時のことだ。このお目当てのブツがあったのは、“即売”目的のDell Computerのキオスクブースと、そのお隣で各社のPocket PCを多数即売していたMobile Planet社のブースだったのだが、後者のほうが展示状態がよかったので、こちらで撮影をさせてもらっていた。

 で、販売価格などを確認するためにチラシをもらい、眺めていると、なんとそこにお目当ての「Bluetooth GPS Receiver」が掲載されているではないか。早速、Mobile Planet社の係員に「このGPSは展示してないのか?」と尋ねると、「展示はしていないが、3セットあるので販売は可能だ」という。

 とりあえず「中身を見せてくれないか?」と聞いてみたが、「3セットしかないのでダメだ」とあっさり断られてしまった。係員によれば、販売価格は449.95ドルで、“COMDEX会場特別価格”として、Pocket PC用の「Teletype GPS」(米国ではポピュラーなPocket PC用のGPS対応電子地図ソフトだ)49ドルを、無料で付けるという。

 経費で落ちないかと一瞬考えたが、N編集長からは「オモチャ代は出ないよぉ」と散々釘を刺されている。あの様子ではムリだろう(実際、予算もないらしいし)。400ドルを超える出費は、貧乏フリーライターの筆者にとってはちょっと手痛いが、どうする……。

 ブースにたたずんで、しばらく考えたが、当時、筆者は後述する“ある構想”をちょうど練っていたところだった。このBluetooth GPS Receiverは、それにうってつけのように見える。長考の末、結局、自腹での購入を決断した。代金は消費税込みでしめて482.57ドルだった。


Pocket PC Storeと称して即売ブースを出展していたMobile Planet社

ホテルで早速使ってみたら……

 ラスベガス滞在中は、ホテルに戻っても、撮影した写真を整理したり、レポートを執筆したりと慌ただしいのだが、折角購入した「Bluetooth GPS Receiver」だ。早速、箱を開けて中身を確認することにした。

[清水隆夫, ITmedia]

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