News | 2003年2月4日 08:56 PM 更新 |
決勝トーナメントに出場したのは、予選のデモンストレーションで高得点をあげた上位16体。ただし、16位までの間に2体の棄権があったため、17位18位のロボットが繰り上げ出場となった。
競技は、リング上で2分間のデモンストレーションを行った後、1ラウンド2分間3ラウンド制(2ラウンド先取したほうが勝ち)の格闘試合を行い、最終的に審査員の採点によって勝敗が決まる。デモと試合の採点比率は1対1であり、試合でも技術点や戦意などについての採点があるため、2ラウンド取ったほうが必ずしも勝利するとは限らない。これがROBO-ONEの特徴だ。ただし、今回はラウンドと最終結果の勝敗が逆転した例はなかった。
1ラウンドの長さがいままでの1分から2分になったことは大きい。1分だと、ロボットが組み合っていよいよこれからというところで時間切れになってしまうことが多かったのだ。このため、ラウンドポイントが0対0のまま審査を待つということが目立っていた。しかし、今回2分となったことで、多くのラウンドでちゃんと決着がつくようになっている。やはり、その方が見ていておもしろい。
また、従来、ダウン回数は無制限だったのだが、1ラウンドで3回までと決められた。3回目のダウンは即ノックアウトとなる。起き上がれるロボットが少なかった時代には、起き上がるというだけですごいし、起き上がるところは何度でもみたいというわけで無制限だったのだ。しかし、既に前回大会で起き上がれるロボット同士の対決が実現し、決着がつかないということが発生してしまっていた。参加者全体のレベルアップを表わしているルール改正だ。
試合の詳細についてはまた後日レポートするとして、ここでは目立ったロボットをいくつか紹介しよう。
かづひ(寺崎和久)氏によるWeird-7。小学校6年生でも作れる総工費約2万円の2足歩行ロボット。3体をこのようにカバンの中に入れて登場。出場したのは、真ん中のひとつ。木を使った暖かみのあるデザインとユーモラスな動き、それにこの目で、「キョロちゃん」の愛称をもらっていた。でも、さすがに攻撃の技は持っておらず、1回戦で敗退。
前転もこなす
派手なパフォーマンスと、このデザインで会場の人気者となったマジンガァ(こうじ氏)。往々にしてこういうマシンは見かけ倒しだったりするのだが、これは違う。高い運動性能と安定性で、準決勝にまで進んだのだ。
3大会連続で予選1位を獲得した吉村浩一氏のR-Blue-4.1は、1回戦第1試合から登場。見事な左ストレートでGVZ-R01を倒す。
一方、1回戦の最後の試合は前回の覇者、森永英一郎氏のMetallic Fighterが登場。ロボットの名称は前回のままだし、外見もほとんど同じようにみえるのだが、運動性能はずっと高くなっている。やはりこちらも大本命と目された。ところが、これが1回戦で敗退してしまうのだ。これがROBO-ONEのおもしろさである。倒したのはすがわらゆうすけ氏のA-Do。
これで勢いに乗ったA-Doはこのまま快進撃を続け、ついに決勝に進む。相手はR-Blue-4.1。
第1ラウンド、R-Blue-4.1はバックを取られダウンを奪われる。しかし、3カウントで起き上がれるのがR-Blue-4.1のすごさだ。すぐに立ち向かいパンチを繰り出すが、A-Doは立ち姿勢が安定していて倒すことができない。逆に2度目のダウン。そして、立ち上がった直後、今度はバランスを崩して自分で倒れてしまう。ラウンド3度目のダウンだ。
しかも、このダウンで、R-Blue-4.1はマシントラブルが発生したらしい。応急修理をして第2ラウンドに臨むも、既に戦える状態ではない。第2ラウンドもA-Doが奪取し、決勝戦の勝者となった。
これに限らず、今回はマシントラブルの発生が目立った。1ラウンド2分としたことで、スタミナや耐久性が問われるようになったのかもしれない。そんな中で、目立ったトラブルは全くなしに頂点を極めたA-Doはすばらしい。
3位は、滝沢一博氏のAdamnt-3rd。重量級ながらも、上半身の速度はトップクラスだ。また、マスター・スレーブ方式の操作系(操縦者が手を動かすとその通りにロボットも動く)を採用したロボットでもある。
西村輝一大会委員長より優勝の盾を受け取るすがわらゆうすけ氏。
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[こばやしゆたか, ITmedia]
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