News | 2003年2月13日 07:34 PM 更新 |
レックスマーク インターナショナルは2月13日、普及価格のインクジェット複合機「Lexmark X5150」を発表した。価格は2万9800円だが実売は2万円以下になる見込み。3月8日から発売する。
Lexmark X5150は、インクジェットプリンタにスキャナとカラーコピー機能を備えた複合機。注目は、やはりその価格だろう。現在店頭では、2万−4万円台で販売されている複合機を、単機能のインクジェットプリンタにせまる2万円以下という実売価格で勝負に出た。だが、低価格とはいえ、複合機としての基本性能はしっかり押さえており、コストパフォーマンスの高さが新製品の売りとなっている。
プリンタ機能では最高4800×1200dpiの高印刷解像度を実現したほか、印刷する画像に合わせて自動的にインクドロップサイズを調整する「PrecisionPhoto」を装備。「プリンタヘッドに10ピコリットルの大きなノズルと3ピコリットルの小さなノズルを備えており、印刷する画像に応じて2つのドロップ径の組み合わせを変化させ、解像度以上の画質を表現することができる」(同社)。
また、スキャナ部は48(カラー)/16(モノクロ)ビット入力のフラットベッドスキャナを搭載。前モデルのX75では読み取りセンサーにCISを使っていたが、新製品では立体物のスキャニングに適したCCD方式を採用した。
本体上部の操作パネルには、8文字×2行の全角漢字表示が可能な液晶ディスプレイを搭載。対応ソフトを指定してワンボタンで画像を取り込むことができる「スキャンメニューボタン」や、銀塩プリントを等倍/拡大コピーできる「フォトコピーボタン」など、簡単操作が行える各種ボタンを装備している。
そのほか、プリンタにセットされた用紙の種類を自動判別する「用紙タイプセンサー」や、独自の用紙送り機構「Accu-Feed」、カートリッジ交換時の手間を省く「自動アライメント機能」など印刷設定が簡単に行える各種機能を装備。フォト編集ソフト「Lexmarkフォトエディタ」、OCRソフト「e-Typistエントリー」、PC FAXソフト「カラーまいと〜くFAX V6 Lite」も同梱されている。
今年度は複合機に注力
同社では、“複合機”を2003年度の戦略商品と位置付けている。同社の雨宮敏朗社長は「インターネットの普及によってアウトプットのニーズが多様化し、1台で何でもこなせる多機能さへの要求が高まっている。そして、機能に見合う妥当な価格も同時に求められている。このようなニーズから複合機マーケットが拡大しており、市場では単機能プリンタから複合型プリンタに置き換わる傾向が見られる」と、成長する複合機市場への期待を語る。
だが、プリンタ専業メーカーとしては世界最大規模を誇る同社も、日本では“安売り”や“セット販売の商材”としてのイメージが強い。
「欧米では堅調に推移する業績が評価され、またプリンタに関する独自のハード/ソフト開発に力を入れていることから、技術オリエンテッドな企業という認識が高い。だが日本では、まず“安い”というイメージが先にきて、企業の特徴がはっきりしないといわれてきた。2003年度はインクジェット複合機に注力して2ケタのシェア獲得が目標。現在のコアビジネスである通販ルートとともに量販店での取り扱いを拡大するなど販売ルートの多様化を図るほか、沖縄にコールセンターを設置するなどCSも強化。パブリシティ活動も積極的に行う」(雨宮社長)。
ランニングコストの高さには注意
さて、実売2万円を切る戦略価格で複合機市場でのシェアアップを狙う同社だが、ユーザー側の立場としては本体価格とともにランニングコストにも目を向けなければならない。実は、同社のインクジェットプリンタのインクカートリッジは、インクタンクとプリンタヘッドとが一体型となったタイプ。インクタンクだけ交換できる他社プリンタと比べて、ランニングコストが高くなるのは否めない。実際に、今回の新製品用のインクカートリッジの価格は、ブラックカートリッジが4900円でカラーカートリッジが5900円と、ライバルメーカーのそれと比べて割高だ。
「確かに、プリンタヘッド一体型の当社方式はランニングコストの面では不利だが、交換時にプリンタヘッドが常に新品になるため、修理の手間がかからないメリットがある。メンテナンスコストも含まれた値段と考えてもらいたい」(同社)。
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[西坂真人, ITmedia]
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