News | 2003年4月11日 07:04 PM 更新 |
米Intelの副社長兼デスクトッププラットフォームグループ事業本部長、William Siu氏は、昨年末に発売されたハイパースレッディングテクノロジ対応Pentium 4の立ち上げを担当した人物。
同部門では今年後半以降、90ナノメートルプロセス採用の次世代Pentium 4(Prescott)のリリースが予定されており、来年には、さらに改良を施したTejas、およびTejas対応のPCI Expressチップセット、さらにはLa Grandeテクノロジプラットフォームの立ち上げなどがある。昨年までの停滞が嘘のように新製品が目白押しだ。
IDF Japanのために来日した同氏の共同記者会見でのトピックを、まとめてお伝えすることにしよう。
サーバとしての役割も担うようになる、これからのデスクトップPC
Siu氏は共同記者会見の冒頭、さらにはIDF Japan基調講演の中で、来年の計画も含めたデスクトップのプラットフォーム戦略について話した。
まず製品については、「ハイパースレッディングは、ユーザーからもとても良いフィードバックを得ている。業界からも高い評価を得ることができた。Prescottには、そのハイパースレッディングの改良版が実装される。さらに90ナノメートルプロセスによりパフォーマンスが上がり、ローコスト化を図ることもできる」とアピール。
Prescottはマイクロアーキテクチャの改良が行われ、13個の新しい命令、1Mバイトに増量された2次キャッシュメモリ、800MHzのフロントサイドバスといった要素で登場する。
それに先駆けて4月から5月にかけ、Prescott向けチップセットとしても使われるCanterwoodおよびSpringdaleが順次発表される。これら新チップセットは発売当初、現行のPentium 4(Northwood)を800MHz FSBにエンハンスしたプロセッサとの組み合わせで利用される(関連記事)。
また先にサンノゼで行われたIDFで発表された「Granite Peak」は、企業ユーザーからの要求に応え、同一のハードウェアプラットフォームを提供し続けることを保証するプログラムだ。TCO削減を実現し、企業内PCのリプレースを加速させる狙いがある。
また、コンシューマー分野ではUniversal Plug and Playをベースにした、家電との接続性を高めるためのデザイン標準を策定している。こちらも先のIDFで紹介されたもので、例えば、LinksysがUPnPベースのネットワークメディアプレイヤーを発売する予定だ。
Canterwood、Springdaleの発表が、当初の予定よりも1カ月ほど遅れました。CanterwoodはSpringdaleをクロックアップした高速版とも言えるチップですが、この遅れは製造面でのトラブルに起因するものなのですか?
いえ、違います。製造に関するものではありません。もっともマイナーな理由による遅延です。もし製造に関するトラブルならば、1カ月遅れで出荷することはできません。
Prescottにはセキュリティ技術の「LaGrande」をサポートするそうですが、Prescottのプラットフォームで将来、LaGrandeの機能を利用できるのでしょうか?
LaGrandeのサポート機能はPrescottに搭載されます。しかし、プロセッサにサポート機能が組み込まれることと、それがシステムのフィーチャーとして提供されていることは全く異なります。
エンドユーザーが、LaGrandeの価値を享受できる時期に投入しなければ意味がありません。私の資料にLaGrandeが記述されていないのは、そうした理由からです。
ハイパースレッディングはすばらしい技術ですが、対応アプリケーションがなければ意味がないのではないでしょうか?
[本田雅一, ITmedia]
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