News | 2003年5月7日 08:44 PM 更新 |
松下電器産業は5月7日、軽量モバイルPC「Let'snote」の新製品として、軽量2スピンドル新ノート「W2シリーズ」、B5ファイルサイズの「T2シリーズ」、B5サイズの「R2シリーズ」を発表。DVD-ROM&CD-R/RWコンボドライブ搭載で1290グラムのW2など、3機種ともにクラス世界最軽量を実現したほか、インテル「Centrinoモバイル・テクノロジ」を採用し、低消費電力による長時間駆動と高性能を両立させている。(スペックの詳細は別記事を参照)。
価格はオープンだが、専用サイト「マイレッツ倶楽部」での販売価格は、W2シリーズが22万2800円から、T2シリーズが19万7800円から、R2シリーズが19万2800円からとなっている。5月下旬から順次発売する。
同社が考えるモバイルPCの基本性能は「手軽に持ち運べる軽さ」、「どこでも使える長時間駆動」、「持ち運びに耐えうる堅牢性」。ただ、ボディを軽くするためにバッテリを減らすと駆動時間が犠牲になり、逆に長時間駆動させるためにバッテリを多く積むとそのぶん重くなってしまう。
「この“軽量化”と“長時間駆動”という相反する要求を両立させるために、設置面積を最小にする取り組みに重点を置いている。1キロを切るRシリーズやTシリーズは、液晶の大きさをベースに液晶サイズギリギリまでに収めることで、軽量化と低消費電力を両立させてきた」(同社)。
Let'snote新シリーズとなるW2シリーズは、RシリーズやTシリーズのコンセプトを継承しながら、さらに光学ドライブ搭載というユーザーニーズに応えた意欲作だ。
その最大の特徴は、DVD-ROM&CD-R/RWコンボドライブを本体内に装備した2スピンドルスタイルを、Tシリーズとほぼ同じフットプリントとなるB5ファイルサイズ(268×209.2×27.5−41.5ミリ)に収めた点。これにより、「ドライブ内蔵/12.1型液晶ディスプレイ搭載では世界最軽量」(同社)となる約1.29キロを実現した。
ただし、汎用パーツを使っていてはB5ファイルサイズに光学ドライブを収めることは難しい。W2シリーズでは、PCと一体形状になるDVD-ROM&CD-R/RWコンボドライブを独自に開発。ドライブのケースカバーを本体兼用とするなどして、従来200グラムあったドライブの重さを、99グラムにまで軽量化することに成功した。
パームレスト部に装備された新開発ドライブは従来のスライドトレー方式ではなく、ポータブルCDプレーヤーのように上部にフタが開く構造を採用。省スペース化と使いやすさを両立している。
マグネシウム製のきょう体は、厚さ0.575ミリ(比重1.74)のマグネシウム板をプレス加工で成型している。「マグネシウムを溶かして型に流し込んでいた従来の鋳造製法に比べて、大幅な軽量化を図れる。また、厚みが均一になるため、強度も確保できる」(同社)。
インテルが提唱するノートPC向け新プラットフォーム「Centrinoモバイル・テクノロジ」を採用。CPUは超低電圧Pentium-M/900MHzを、チップセットはIntel 855GMを使っている。従来のLet's Noteでは4セルだったバッテリセル搭載数を6セルに増やし、さらなる省電力化を図ることで、標準バッテリで約7.5時間の長時間駆動を可能にした。
「DVDの映画なら1本半は余裕で見ることができる。外出時も電源を気にせず、高性能PCを利用可能」(同社)。
W2シリーズの店頭モデル(CF-W2AW1AXR)は、無線LAN(IEEE 802.11b)モデル1機種のみのラインアップとなり、価格はオープン。松下ネットワークマーケティングのECサイト「マイレッツ倶楽部」では、Office XPプリインストールモデルも選択できる。
マイレッツ倶楽部での販売価格は以下の通り。
Let'snote CF-W2シリーズ | Office XPなし | Office XP Personal | Office XP Professional |
無線LANモデル(HDD40GB/メモリ512MB/無線LAN) | 22万2800円 | 24万6600円 | 29万800円 |
「T2」「R2」シリーズは、従来モデル(「T1」「R1」)のマイナーチェンジ版。Centrinoプラットフォームを採用し、W2と同じCPUとチップセット(超低電圧版Pentium M/900MHz、855GM)を採用している以外は、従来機種と変わらない。両シリーズともにクラス世界最軽量(T2が約999グラム、R2が約930グラム)を維持するなど、軽量ボディも従来モデルと同様だ。
T2の店頭販売モデルは、約999グラムで無線LANなしの「軽量モデル」(CF-T2AC2AXR)と、約1070グラムの「無線LANモデル」(CF-T2AW1AXR)が用意される。価格はオープン。
基本スペックは店頭モデルと変わらないが、無線LAN内蔵の有無、サイドカバーやパッドリングのカラーオーダー、ネームプレート、HDD/メモリの増設、Office XP Personal/Professionalの追加といったカスタマイズが選べる。また、本体天板のカラーを5色(ギャラクシーブラック/メタリックブルー/レッド/ガンメタリック/サンライトイエロー)から選択できるオリジナルカラーリングサービスを、予約期間や数量を限定して実施する。
マイレッツ倶楽部での販売価格は以下の通り。
Let'snote CF-T2シリーズ | Office XPなし | Office XP Personal | Office XP Professional |
軽量モデル(HDD20GB/メモリ128MB) | 19万7800円 | ― | ― |
無線LANモデル(HDD40GB/メモリ256MB/無線LAN) | 20万2800円 | 22万6600円 | 27万800円 |
WEBオリジナルモデル(HDD60GB/メモリ512MB/無線LAN | 21万9800円 | ― | ― |
Let'snote CF-R2シリーズ | Office XPなし | Office XP Personal | Office XP Professional |
軽量モデル(HDD40GB/メモリ512MB) | 22万4800円 | ― | ― |
無線LANモデル(HDD40GB/メモリ256MB/無線LAN) | 19万2800円 | 21万6600円 | 26万800円 |
WEBオリジナルモデル(HDD60GB/メモリ512MB/無線LAN | 19万2800円 | ― | ― |
“Tablet PC”ライクなTOUGHBOOKも登場
また、堅牢ノートPC「TOUGHBOOK」の新モデルとして、B5ファイルサイズの「18シリーズ」と、A4ファイルサイズの「73シリーズ」が新たに登場。両機種ともに5月28日から順次発売する。価格はオープンだが、実売は18シリーズが30万1900円から、73シリーズの無線LANモデルが27万4400円からとなっている。
「18シリーズ」は、Tablet PCのように液晶ディスプレイが360度回転してタブレット型になるコンパーチブルタイプを採用。感圧式のタッチパネルを装備し、ノートPCスタイル、ペンPCスタイルの2通リで使用できる。「タッチパッドも感圧式を採用し、ゴム手袋でも操作できるようになっている」(同社)。
全方向からの水滴に対応するなど防滴性能をさらに高めたほか、約90センチからの落下衝撃に耐える仕様など、TOUGHBOOKシリーズならではの頑丈設計のほか、液封入型タッチスクリーンの採用で、屋外での視認性をさらに向上している。CPUにPentium-M/900MHz、チップセットに855GMを採用しているが、無線LANを搭載していないためCentrinoブランドロゴの対象にはならない。
「73シリーズ」は、Pentium-M/1.3GHzと855GMチップセット、無線LANを搭載したCentrinoモバイル・テクノロジ採用の高性能堅牢ノートPC。約30センチの落下耐衝撃仕様と、簡易防滴キーボードを備える。
本体横のスロットにマルチメディアポケットを採用。コンボドライブやDVDドライブのほか、セカンドバッテリパックも用意。本体内蔵バッテリとセカンドバッテリの併用時は、11時間という長時間駆動が可能になる。
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[西坂真人, ITmedia]
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