News:アンカーデスク 2003年6月27日 11:59 PM 更新

っぽいかもしれない
頼れるヤツらはこんなヤツ――ヘビ型・クモ型、ジャンプに変形……(3/4)


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 そこで今取り組んでいるのがヘビ型というわけ。先頭を除き、各ユニットは同じ構造を持っているので、環境に応じてユニット数をかえてもいい。

 とはいうものの、まだ動きは未完成。しかし、7月5日からイタリアで開催されるRobocup2003世界大会には、このKOHGAで出場するつもりなのだそうだ。あと一週間。期待しよう。

・多脚式

 ヘビじゃなくてムカデとかクモとかっていうやつ。でも、これは意外に少なかった。不整地ってだけならともかく(*5)、3次元的にごちゃごちゃしたがれきでは、突起物の多い形状は不利なのかもしれない。


動画はこちら

 大阪大学新井研究室の「リムメカニズムロボット」。点対称の6本脚をしている。それぞれの脚のさきはカニのハサミ(エビのほうが近いか)みたいになっていてものをつまむことができる。


 6本脚で歩くときには、一本おきの3本脚(正三角形の頂点になる)が2組という形で、かわりばんこに歩を進めるという形をとる。また、1本の脚に赤外線センサーをつけ、それを触覚のように掲げて人間を探査しながら残りの脚で歩いたり、2本の脚でなにかをもって、残り4本の脚で歩行するというのもOK。

・ジャンプ


動画その1 動画その2

 東京工業大学塚越研究室の「Leg-in-rotor-IV (L in R)」。会場でかなり注目を集めていたロボット。

 基本は車輪で移動。糸巻き戦車のような感じだ。ボンベに詰めこまれた圧縮ガスでシリンダーを押しだすことで、80センチのジャンプをする。送り出す量を調整することでジャンプの高さも変えられる。ジャンプした後の空中姿勢の制御などは行っていないので、落ちるときはどの向きになるかわからない(不整地に落ちるのだから、空中の姿勢を考えてもムダかもしれない)。そこで、どんな向きに落ちたとしてもちゃんと元の姿勢に戻れるように工夫されている。

 ボンベのガスという有限な資源を使うので、ジャンプの回数も有限だ。そこで、できるだけ経済的な移動をするためのジャンプの仕方ということも研究されているようだ。

 ジャンプそのものはとても美しい。ただ、細いすき間に落っこっちゃったとき、姿勢を元に戻せなくて次のジャンプができず、そこで動きが取れなくなるという弱点があるようだ。また、動きが派手だから、どうかするとがれきを崩す危険性がある(動画ではふすまを倒している)。

・変形


動画はこちら

 岐阜県生産情報技術研究所の「CUBIC-R」。立方体構造と、それを平面に展開した構造との間で自由に変型できるロボットだ。これはまだ2面にしかクローラがないのだけど、最終的には6面すべてにクローラがつく。立方体状況ではどの向きに転がってもそのまま進むことができる。このとき内側にものを包み込むことも可能だ。

 展開図形になれば、立方体では落ち込んでしまうギャップを乗り越えたり、高さがあまりないところに入り込んだりすることができる。つまり、クローラ連結のヘビ型に似たものになるわけだ(連結部は1自由度しかない)。

 また、立方体型でギャップにはまり込んでしまったとき、だんだん展開していくことで、自分自身を上に持ち上げてギャップから脱出するということもできるのだそうだ。

電源がないときに……

 災害現場においては、電源の確保が難しいことがある。ロボットそのものを動かすこともだけど、人間を探し出すセンサー(カメラも含む)の類いはどうしたって電気が必要だ。


*5 地雷除去みたいな分野では多脚式が主流だ。

[こばやしゆたか, ITmedia]

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