News:ニュース速報 2003年7月4日 08:15 PM 更新

NECとTAO、世界最長距離の量子暗号通信に成功

NECと通信・放送機構(TAO)は、量子暗号システムで世界最長となる100キロ間での単一光子伝送に成功したと発表した。既存の光通信で使用している光ファイバーで長距離通信を成功させたことで、量子暗号通信の実用化が進むとしている。

 NECと通信・放送機構(TAO)は7月4日、量子暗号システムで世界最長となる100キロ間での単一光子伝送に成功したと発表した。既存の光通信で使用している光ファイバーで長距離通信を成功させたことで、量子暗号通信の実用化が進むとしている。

 NECと科学技術振興事業団(JST)が共同開発した低雑音光子受信器と、NECとTAOが開発した単一光子スペクトル高純度化フィルターを組み合わせて実現した。

 実験には一般の光ファイバーと同じ損失・散乱特性を持つものを使用しており、既存インフラでも100キロの長距離通信を実現できるという。また受信器による伝送距離の制限を克服できたため、低散乱・低損失の光ファイバーを使用すれば200キロの伝送も可能だとしている。

 量子暗号は量子物理学に基づいた暗号技術。第三者が盗聴しようとすると内容が無意味になる上、盗聴されたことが必ず判明する究極の暗号として実用化に向けた研究が進められている。ただ光子1個で1ビットを表すため、実用化には単一光子を確実に検出できる技術と伝送距離の長距離化が課題になっている。

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