News:アンカーデスク | 2003年7月11日 09:38 PM 更新 |
7月3〜5日、東京ビッグサイトで、「第14回 国際 文具・紙製品展(ISOT2003)」が開催された。オフィスや家庭で使われる文房具などを集めた展示会だ。ビジネスショウがすっかりエレクトロニクスな展示会になってしまった今では、文房具の展示が見られる貴重な展示会なのである。
とはいうものの、現代においてエレクトロニクスを無視することはできない。まずそういうものから紹介していこう。だんだんそういうんじゃないものになるんだけど。
手書きLink
ゼブラの「手書きLink」。紙にペンで書いているものが、そのままリアルタイムにパソコンにも入力されているというもの。すでに、5月から発売されている(知らなかった)。希望小売り価格は1万7800円。
製品はベースユニットと専用ペンの二つの部分で構成されている。ベースユニットは紙ばさみになっていて、これで紙(束になっててもいい)の上端をはさみ込む。これで、紙とユニットの相対位置が固定されるわけ。あとは、ペンで紙に何かを書くと、その筆致をユニットが検知するというわけ。また、ユニットからはUSBケーブルが出ているので、これをパソコンにつなげばいい。
専用ペンは書いている間(ペン先が紙に触れている間)、超音波を出している。これを、ベースユニットの紙挟みの両端にあたるところに2カ所あるセンサーがキャッチ。その時間差でペンの位置を測定するというしくみ。
パソコン側には専用のアプリケーションがあり、紙に書いたものは、その画面にも同時に描かれる。この追従性はかなりよい。パソコンの画面を見ながらペンを走らせても大丈夫なくらいだ。
紙を見ながら、左上に線をひいて、右下に丸を書いて、左上の線を延長させるなんてことをしても、ちゃんと画面の線もつながってくれる。紙ばさみがずれたり紙がよれたりさえしなければ、座標の再現性もよいようだ。
ペンそのものもかなり軽い。ちょっと素材が安っぽい気もするけど、重さ的には問題はない。私は重いペンが苦手な人なので、仕掛け入りのペンっていうのは重過ぎるって文句をいうことが多いのだけど、これはそんなことはない。
また、紙ばさみ部分には四つの凹みがあって、ここをペン先でクリックすることで、特殊コマンドをおくることができる。専用アプリケーションでのペン色、太さなどの変更はこれがつかわれていた。
ハードウェア的にはよくできていると思うのだけど、ソフトウェア的(っていうより営業的なのだろうけど)には、ちょっと文句がある。このデバイスは専用アプリケーションの下でしか動かないのだ。
それではだめだ。せっかくいいハードウェアを作っても、そういう囲い込みをやっているようでは絶対普及しない。汎用入力デバイスとして使えるようにするドライバをどうして作らないのだ(*1)。
もちろん、買ってすぐ使えるために、専用アプリをつけるのは歓迎だ。でも、それだけではいつか物足りなくなる。これはそのくらいの深みのあるハードウェアだ。そのときに汎用デバイスにしておけば、応用が広がるはずだ(*2)。このままではほんとに、もったいない。
携帯できるプリンタ
これも、既に発売されているけど、ブラザーの「MPRINT」。
A7サイズの感熱紙専用の携帯プリンタだ。ドットマトリックスのMW-100e、フォントをつんだMW-120の2機種がある。どちらもWindowsでUSBプリンタとして使えるほか、MW-100eはPocket PCとPalm、MW-120はPocket PCとi-modeからも印刷できるようになっている(*3)。
[こばやしゆたか, ITmedia]
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