News | 2003年8月18日 07:06 PM 更新 |
日本HPとしては「ワークステーションならともかく、一般的なビジネスユーザーには、需要がそれほどあるとは思えない」と考えているので、積極的にアピールすることはしないそうだが、最近ではプレゼンの資料作りとスプレッドシートの同時表示や、Web作成ツールと画像処理ソフトを同時に表示するなど、一般的なユーザーでもデュアルディスプレイを望む機会は多くなっている。
d325SFは、製品名にもあるようにビジネス市場をターゲットにしたもの。米国のHPでは8月12日にコンシューマー向け新規ラインアップを大々的に発表しているが、日本HPは、その動きにはほとんど連動していない(一部、日本でもラインアップを用意しているプリンタなどのイメージング系で、米国でリリースされる製品を日本でも販売する予定があるそうだ)。
逆に、日本HPにおけるこれからのビジネス展開は、pavilion、PresarioといったHP、COMPAQの代表的なコンシューマーブラントを休止させて、ビジネス市場に特化させていく考えだ。これは「コンシューマー市場にデスクトップPCを投入してもビジネスにならないから」(日本HP)。米国で販売店の商品陳列棚占有率が8割を超えるHPも、日本では一部のPC専門店を除いて押さえている棚がほとんどない状態。
さらに、HPの戦略ではは供給製品を全世界で共通させ、スケールメリットを発生させることを基本としているが、日本のコンシューマーで大部分を占めるスモールフォームファクターPCは、米国などではほとんど受け入れられていないという現実がある。
ところが、ビジネスの現場では一転して、スモールフォームファクターPCの導入率が、日本も米国も半分を占めるようになってくる。ビジネス市場においては、日本も米国も同じような構造になっており、HPが得意とする全世界的なスケールメリットが発揮できるようになる。
実際のところ、この「スケールメリットの有無」こそが、日本でコンシューマーから撤退し、ビジネス市場に特化する最大の要因であるようだ。
日本人に受け入れられる魅力的な製品云々、ということよりも、効率と利益とコストを重視する方針は、ワールドワイドでのライバル、DELLの得意とするところだが、果たしてそれが日本で成功するかどうか。日本におけるDELLの立場を考えるとき、「やっぱり日本は特殊だ」という考えにたどり着くようにも思えるのだが……。
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[長浜和也, ITmedia]
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