News:アンカーデスク 2003年8月22日 08:00 PM 更新

っぽいかもしれない
バトルだけがROBO-ONEじゃない(1/2)

ROBO-ONEには、ある決められた課題を時間内にクリアするというタイプの競技もある。2日がかりのバトルに比べるとずっとコンパクトなものではあるのだけど、会場の一体感は非常に高まるのだ。ROBO-ONE第4回大会レポートの最後に、これらを紹介してみよう。

ROBO-ONE Corner to Corner (C2C)

 今大会より始まった新しい競技だ。

 リングの青コーナー側のサークル内に、コーナーポスト側を向いて待機。スタートで、体の向きを180度変えて、反対側の赤コーナー側のサークルにロボットが完全に入るまで歩く(走る)。制限時間は10秒。

 歩行速度だけではなく、180度反転できて、まっすぐコーナーに向かう精度が求められるのだ。挑戦したロボットは8台。

 体の向きを180度変えて、さあ歩きだそうとしたところで、10秒のブザー。サークルを出ることができなかった。


ムービーは、こちら(0.7Mバイト)

  • 舞夢(べんぞう)

 本大会の予選は28位(312点)だったロボット。これも振り向こうとしている間に10秒経ってしまった。10秒というのは非常に短い。

ムービーは、こちら(0.5Mバイト)

 5秒で方向転換し歩きだすも、途中で転んでしまう。方向も少しずれていたようだ。

ムービーは、こちら(0.5Mバイト)

 足を踏みだしながら向きを変えるという高等技術で時間を稼ぐ。しかし、歩く方向がずれている。惜しい。

  • M&M-01(マリモトチーム)

 ROBO-ONE Junior with Family の優勝ロボットだ。作者はHSWR-03と同じ中村素弘氏。

 方向転換して歩きだすけれど、その方向がかなりずれてしまった。中村氏によれば「足は速いけどどこいくかわからないロボット」だそうだから、仕方のないところだ。

ムービーは、こちら(0.5Mバイト)

 ROBO-ONEバンダイカップの優勝ロボット。やはりチャンピオンベルトを巻いての出場。

 3秒で方向転換して歩きだすが、その方向が微妙にずれている。ところが、歩くコースがきれいにカーブを描いて、見事赤コーナーサークルに到達(*1)。


ムービーは、こちら(1.0Mバイト)

 足の速さならピカイチのロボットだ。向きを変えるまでで2秒、方向もぴったり。しかし焦ったのか、足ばっかり前に行ってあおむけに転んでしまう。転びさえしなければ、間違いなく成功していただろうに残念。

ムービーは、こちら(0.5Mバイト)

 ROBO-ONE実行委員長の西村輝一氏にいわせると「みんなが失敗しちゃうと、課題がむずかしすぎるんだよとか言われてしまう。かといってみんな成功しちゃうと賞金がかかってたまらない(*2)。1人だけ成功っていうのがベストだ」だそうだから、実においしいパターンになったわけだ。

ROBO-ONE Stairs


 このような階段を上って、向こう側に下りてくれば成功。材質はアルミ、段差は30ミリ、ステップの奥行きは100センチ。

 制限時間は2分。これ、最初は5分だったのが、大会のたびにどんどん短くなっている。また、足の裏以外が階段に触れたら最初からやり直し(時計はそのまま)*3。上るときにすねをぶつけたり、下りるときにふくらはぎでこすったりなんてのもダメ。

 参加したロボットは4チーム。

 初参加ながら、予選のデモンストレーションで高い運動性能をアピールしたマシンだ。

 まず左足を上の段に上げて、次に右足をそれに並べてっていう1段上りで着実に上がっていく(*4)。5段の階段を上って、まだ20秒だ。下り側の最上段に来て50秒。下りも左足先行の1段ずつで着実に進む。1分25秒でミッションクリア。観衆の大喝采を浴びた。

ムービーは、こちら(1.4Mバイト) 動画が、ぶれてしまっててすみません

 西村輝一実行委員長によれば、「次回は、1分かな」だそうである。

  • SUMO(えまのん)

 自由度6のかわいいロボット。1段目に足をかけて上るのだけど、次の足を上げようとすると、後ろにひっくり返ってしまう。残念。

ムービーは、こちら(1.3Mバイト)  

  • 太極けん太FT(野本&田中)

 本大会では予選参加資格を満たさず、デモ演技だけになっちゃったロボット。でも、こちらには気合い十分。

 1段目に足をかけて上り、次の足を上げようと重心を前にかけたとき「あれ、これはどうか?」の声がかかってしまう。前側にあった突起物が、上の段に触ってしまうのだ。やり直したとしても、構造上触ってしまうみたいで、無念のリタイア。


 これも期待が高いロボットだ。足をStairs仕様のものに交換してのチャレンジ。右足を1段目にかけて上り、左足を並べるところまではOK。ところが、その次の段に上ろうとするときにバランスを崩して倒れてしまう。やり直してみたがやはりダメ。失敗。

ムービーは、こちら(1.6Mバイト)

 ROBO-ONE Stairsは予選と同一日に行われたのだけど、この日は2325-RRは不調だったのだ。翌日は復調していたので、それも惜しまれる。

 成功の賞金10万円のほか、各参加者には参加賞としてロボットのペーパークラフトが授与された。決勝のデモで、2325-RRがバックブリーカーをくらわせた(関連記事を参照)のは、こいつだ。


*1 いま、ビデオを見ながらストップウォッチでタイムを計測したら、最後の足(左足)が空中に浮くまでで「9秒84」、それがサークル内につくまでで「9秒99」。すごい。
*2 成功すると10万円の賞金。これはこのあと紹介するものもいっしょ。
*3 5分の時代にはやり直すことも可能だったけど、2分となるとちょっとやり直しはつらくなってきた。
*4 ROBO-ONEでは、人間と同じように2段ずつ上るというロボットはまだ出ていない。いつかは出てくるだろうけど。

[こばやしゆたか, ITmedia]

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